Web Syllabus(講義概要)
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医化学・栄養学(M301-BM18)
英文名Medical Biochemistry&Nutrition
科目概要2年前期[24コマ]、3群科目、必修、講義
科目責任者堺 隆一
担当者堺 隆一※, 板倉 誠※, 清成 信一※, 堤 良平※
教室M103(新校舎1階大講義室)

実務経験のある教員

堺 隆一ほか:
臨床経験をふまえ癌、糖尿病、内分泌疾患などの病態について概説する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

1. プロフェッショナリズムと倫理: 4. 知的探究と自律的学習: 7. 予防医学:
2. コミュニケーション能力: 5. チーム医療: 8. 地域医療:
3. 医学的知識と技術: ◎6. 医療の質と安全: 9. 国際貢献:

授業の目的

 ヒトの生体機能を理解するためには、外界の変化を様々な細胞にどのようにして伝え、細胞内代謝を的確に変化させているかを理解しなければならない。またヒトの健康を考える上で、どのような物質をどのような仕組みで栄養素として体内に取り入れ、身体活動や臓器機能の維持に利用しているか理解することは重要である。その一方で種々の病的な状態をこの外界からの情報伝達系の破綻として捉え、それに関わる分子を知ることは病気の予防や治療という観点からも重要である。このようなことから本科目では、体内で起るダイナミックな生体制御機構とその異常について理解してもらうとともに、栄養という観点から細胞内代謝を見つめなおすことを教育目標とする。1年生での「細胞生物学」「タンパク質化学」「代謝学」の講義内容を縦糸とした場合、本科目で取り上げる内容は横糸として密接に絡み合っており、3年生で学ぶ器官系別総合講義につなぐ役割も持っている。

教育内容

⑴ 細胞外からの刺激を受け取る細胞内情報伝達系の多様性を生化学的な観点から講義する。
⑵ 細胞の増殖・運動の調節機構とその破綻としてのがんの発生の分子メカニズムについて講義する。
⑶ 糖代謝や細胞に対するストレスに関わる分子群について説明する。
⑷ 血液に含まれるタンパク質やホメオスタシスと疾患の関わりを講義する。
⑸ ホルモンや神経伝達物質の役割について生化学的側面から講義する。
⑹ 栄養素および消化・吸収、エネルギー代謝について生化学的な観点から講義する。

教育方法

教科書以外にプリントを配布し、これに従って講義を進める。担当教員ごとに最後の回に演習問題により知識の確認を行ない、終了後に解答例を配布する。

授業内容

日時講義テーマ講義内容担当者所属
14/16(水)①医化学栄養学総説総説・細胞膜の構造と機能堺 隆一
生化学(堺単位)
24/17(木)②受容体とリガンド受容体の種類と活性化機構堺 隆一
生化学(堺単位)
34/22(火)②タンパク質のリン酸化リン酸化によるタンパク質の制御堺 隆一
生化学(堺単位)
44/23(水)①細胞内シグナル伝達細胞内シグナル伝達のメカニズム堺 隆一
生化学(堺単位)
54/24(木)②細胞の増殖と運動細胞周期や細胞運動に関わる分子堺 隆一
生化学(堺単位)
65/7(水)①がんの発生と転移がん発生や転移に関わるタンパク質群堺 隆一
生化学(堺単位)
75/8(木)②演習⑴講義内容の問題演習と解説堺 隆一
生化学(堺単位)
85/13(火)②膜輸送細胞膜を介した物質輸送・小胞輸送堤 良平
生化学(堺単位)
95/14(水)①糖代謝と炎症糖代謝や炎症に関わる分子群堤 良平
生化学(堺単位)
105/15(木)②細胞のストレス小胞体ストレスや酸化ストレス清成 信一
生化学(堺単位)
115/20(火)②血液と血漿タンパク質血漿タンパク質の性質と機能清成 信一
生化学(堺単位)
125/21(水)①ヘモグロビンと血液凝固系酸素運搬と血液凝固に関わる分子清成 信一
生化学(堺単位)
135/22(木)②血液の酸塩基平衡アシドーシスとアルカローシス清成 信一
生化学(堺単位)
145/27(火)②演習⑵講義内容の問題演習と解説清成 信一
堤 良平
生化学(堺単位)
155/28(水)①ホルモン⑴ホルモンの分類と機能板倉 誠
生化学(堺単位)
165/29(木)②ホルモン⑵ホルモン各論とその異常症板倉 誠
生化学(堺単位)
176/3(火)②神経機能と疾患神経伝達の機構と神経疾患板倉 誠
生化学(堺単位)
186/4(水)①ストレス受容精神的ストレスの受容機構とその破綻板倉 誠
生化学(堺単位)
196/10(火)②消化吸収糖質・脂質・タンパク質の消化吸収板倉 誠
生化学(堺単位)
206/11(水)①体液循環の調節機構血液・尿の成分,心臓・血管・腎臓機能の制御板倉 誠
生化学(堺単位)
216/17(火)②ビタミン⑴脂溶性ビタミンと無機質板倉 誠
生化学(堺単位)
226/18(水)①ビタミン⑵水溶性ビタミン、過剰症と欠乏症板倉 誠
生化学(堺単位)
236/24(火)②筋骨格系とエネルギー代謝筋肉の構造とエネルギー代謝板倉 誠
生化学(堺単位)
246/25(水)①演習⑶講義内容の問題演習と解説板倉 誠
生化学(堺単位)
No. 1
日時
4/16(水)①
講義テーマ
医化学栄養学総説
講義内容
総説・細胞膜の構造と機能
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 2
日時
4/17(木)②
講義テーマ
受容体とリガンド
講義内容
受容体の種類と活性化機構
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 3
日時
4/22(火)②
講義テーマ
タンパク質のリン酸化
講義内容
リン酸化によるタンパク質の制御
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 4
日時
4/23(水)①
講義テーマ
細胞内シグナル伝達
講義内容
細胞内シグナル伝達のメカニズム
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 5
日時
4/24(木)②
講義テーマ
細胞の増殖と運動
講義内容
細胞周期や細胞運動に関わる分子
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 6
日時
5/7(水)①
講義テーマ
がんの発生と転移
講義内容
がん発生や転移に関わるタンパク質群
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 7
日時
5/8(木)②
講義テーマ
演習⑴
講義内容
講義内容の問題演習と解説
担当者
堺 隆一
所属
生化学(堺単位)
No. 8
日時
5/13(火)②
講義テーマ
膜輸送
講義内容
細胞膜を介した物質輸送・小胞輸送
担当者
堤 良平
所属
生化学(堺単位)
No. 9
日時
5/14(水)①
講義テーマ
糖代謝と炎症
講義内容
糖代謝や炎症に関わる分子群
担当者
堤 良平
所属
生化学(堺単位)
No. 10
日時
5/15(木)②
講義テーマ
細胞のストレス
講義内容
小胞体ストレスや酸化ストレス
担当者
清成 信一
所属
生化学(堺単位)
No. 11
日時
5/20(火)②
講義テーマ
血液と血漿タンパク質
講義内容
血漿タンパク質の性質と機能
担当者
清成 信一
所属
生化学(堺単位)
No. 12
日時
5/21(水)①
講義テーマ
ヘモグロビンと血液凝固系
講義内容
酸素運搬と血液凝固に関わる分子
担当者
清成 信一
所属
生化学(堺単位)
No. 13
日時
5/22(木)②
講義テーマ
血液の酸塩基平衡
講義内容
アシドーシスとアルカローシス
担当者
清成 信一
所属
生化学(堺単位)
No. 14
日時
5/27(火)②
講義テーマ
演習⑵
講義内容
講義内容の問題演習と解説
担当者
清成 信一
堤 良平
所属
生化学(堺単位)
No. 15
日時
5/28(水)①
講義テーマ
ホルモン⑴
講義内容
ホルモンの分類と機能
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 16
日時
5/29(木)②
講義テーマ
ホルモン⑵
講義内容
ホルモン各論とその異常症
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 17
日時
6/3(火)②
講義テーマ
神経機能と疾患
講義内容
神経伝達の機構と神経疾患
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 18
日時
6/4(水)①
講義テーマ
ストレス受容
講義内容
精神的ストレスの受容機構とその破綻
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 19
日時
6/10(火)②
講義テーマ
消化吸収
講義内容
糖質・脂質・タンパク質の消化吸収
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 20
日時
6/11(水)①
講義テーマ
体液循環の調節機構
講義内容
血液・尿の成分,心臓・血管・腎臓機能の制御
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 21
日時
6/17(火)②
講義テーマ
ビタミン⑴
講義内容
脂溶性ビタミンと無機質
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 22
日時
6/18(水)①
講義テーマ
ビタミン⑵
講義内容
水溶性ビタミン、過剰症と欠乏症
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 23
日時
6/24(火)②
講義テーマ
筋骨格系とエネルギー代謝
講義内容
筋肉の構造とエネルギー代謝
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)
No. 24
日時
6/25(水)①
講義テーマ
演習⑶
講義内容
講義内容の問題演習と解説
担当者
板倉 誠
所属
生化学(堺単位)

準備学習(予習・復習)

予習:教科書の対応するページをあらかじめ読んでおくこと。
復習:プリントを見返し、分からない点を明らかにして質問する。
予習・復習あわせて1コマあたり2時間の準備学習を要する。

教材

種別書名著者・編者発行所
参考書重要参考図書
エッセンシャル生化学
Pratt, Cornely 著(須藤、山本、堅田、渡辺 訳)東京化学同人
参考書重要参考図書
エッセンシャル細胞生物学
(中村桂子,松原謙一 訳)南江堂
参考書参考図書
イラストレイテッドハーパー・生化学(原著30版)
Murray, Granner, Rodwell 著 上代 監訳丸善
参考書参考図書
イラストレイテッド生化学(原著8版)
Champe, Harvey, Ferrier 著(石崎、丸山 監訳)丸善
教科書
署名
著者・編者
発行所
参考書
署名
重要参考図書
エッセンシャル生化学
著者・編者
Pratt, Cornely 著(須藤、山本、堅田、渡辺 訳)
発行所
東京化学同人
参考書
署名
重要参考図書
エッセンシャル細胞生物学
著者・編者
(中村桂子,松原謙一 訳)
発行所
南江堂
参考書
署名
参考図書
イラストレイテッドハーパー・生化学(原著30版)
著者・編者
Murray, Granner, Rodwell 著 上代 監訳
発行所
丸善
参考書
署名
参考図書
イラストレイテッド生化学(原著8版)
著者・編者
Champe, Harvey, Ferrier 著(石崎、丸山 監訳)
発行所
丸善

到達目標

細胞膜の受容体の機能やリガンドについて説明できる。
増殖・運動に関わるタンパク質群やエネルギー代謝とその異常について説明できる。
細胞間および細胞内シグナル伝達系の仕組みとがんなどの疾患との関わりを説明できる。
膜輸送や小胞輸送について説明できる。
細胞に対する種々のストレス反応に関わる分子群について説明できる。
血糖値の調節や局所の炎症に関わる分子群について説明できる。
血液のタンパク質やホメオスタシスと疾患の関わりを説明できる。
ホルモンや神経系の制御に関わる分子とその異常について説明できる。
消化吸収や血糖値のコントロールとその異常に関わる疾患について説明できる。
栄養素について理解するとともに、健康時、異常時の生体制御機構を説明できる。

評価基準

講義や演習への取り組み方(20%)と試験(80%)の総合評価とする。

その他注意事項

 本科目の学習内容は「細胞生物学」「タンパク質化学」「代謝学」の学習内容と密接に関連している。1年生での学習内容をしっかりと復習しておくとともに、これらの科目の学習内容との関連をしっかりと捉え、統合的に理解するよう心がけること。
毎時間配布する「プリント」には「確認問題」などの形で要点のまとめが含まれるので、きちんと綴じて保存することを奨める。解答は特に配布しないが、講義ノートや配布されたプリントを見れば答えられるような問題であるので、復習の際に活用してほしい。
講義内容を理解する上で、実際に自分自身で問題を解いてみることは非常に有益である。「演習」はこの様な考えに基づいて設けられたもので試験ではない。「演習問題」を解くにあたっては、教科書、参考書、プリントなどを持参し、それらを参考にして必ず自分自身の力で解答すること。
「確認問題」や「演習問題」は試験に向けて習得すべきポイントであるが、必ずしもそのままの形で定期試験に出題されるわけではない。分からない場合には、生化学の教員(新M号館5階)に質問し疑問点を残さないようにすること。