英文名 | Neuroanatomy | |
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科目概要 | 2年前期[18コマ]、3群科目、必修、実習 | |
科目責任者 | 阪上 洋行 | |
担当者 | 阪上 洋行, 原 芳伸, 菅原 健之 | |
教室 | M103(新校舎1階大講義室), M11(新校舎1階系統解剖実習室), M31(新校舎3階顕微鏡実習室) |
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
複雑な神経回路網は、内的・外的環境からの様々な情報を末梢神経を介して受容し適切に処理することにより、効果器に指令を出し四肢の円滑な随意運動や姿勢維持とともに呼吸・循環調節などの恒常性の維持に関与している。さらに霊長類の大脳半球は高度に発達した結果、学習、記憶、情動などの我々の個性を規定する高次神経機能の遂行を可能にしている。本講義は、神経回路と神経機能を有機的に理解するために、中枢神経系の構造と神経回路に関する神経解剖学的知識を習得するともに、その破綻により生じる神経機能障害に関して神経解剖学的観点から論理的に考えるための基礎的学力を身につけることを教育目標とする。また、講義と連動した実習では、御献体脳を用いて将来の神経系画像診断の基礎となる脳・脊髄の立体構造の習得を目指す。
中枢神経系の構造と神経回路について解説し、実習では各神経領域の3次元的繋がりに着目して解剖を実施する。
・ 教科書以外にプリントを配布し、これに従って講義を進める。また、講義と並行して神経解剖学実習を実施する。
・ 実習での課題は、回収し修正すべき点をコメントし返却し、学生にフィードバックする。
・ 試験で正答率の低かった問題に関しては、解説し学生にフィードバックする。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 5/26(月)① | 【講義1】髄膜と脳室、血管系、脳の発生 | ⑴硬膜、クモ膜、軟膜からなる髄膜の構造 ⑵脳室の構造と発生 ⑶脳の血管系(大脳動脈輪、硬膜静脈洞など)(4) 神経上皮から発生する神経系の発生機構を解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
2 | 6/2(月)① | 【講義2】脊髄 | 脊髄の構造と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
3 | 6/5(木)① | 【講義3】脳幹⑴ 延髄 | 延髄の主な神経核と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
4 | 6/5(木)② | 【講義4】脳幹⑵ 橋 | 橋の主な神経核と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
5 | 6/12(木)① | 【講義5】脳幹⑶ 中脳 | 中脳の主な神経核と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
6 | 6/12(木)② | 【講義6】小脳 | 小脳の構造と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
7 | 6/19(木)① | 【講義7】間脳 | 間脳の構造と神経回路について解説する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
8 | 6/19(木)② | 【講義8】大脳半球⑴ 大脳皮質 | 大脳新皮質の構造と神経回路を理解する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
9 | 6/26(木)① | 【講義9】大脳半球⑵ 大脳皮質 | 古皮質と原皮質の構造と神経回路を理解する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
10 | 6/26(木)② | 【講義10】大脳半球⑶ 大脳基底核 | 大脳基底核の構造・神経回路・役 割を理解する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
11 | 6/30(月)③ | 【講義11】神経伝導路⑴ 運動路 | 下行性伝導路(運動路)について解説する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
12 | 6/30(月)④ | 【講義12】神経伝導路⑵ 感覚路 | 上行性伝導路(感覚路)について解説する 脳幹の構造と神経回路を理解する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
13 | 7/1(火)③ | 【実習1 (系統解剖実習室)】 脳の脈管系、脳神経 | 脳を走行する脈管系を同定し理解する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
14 | 7/1(火)④ | 【実習2 (系統解剖実習室)】 脳幹 | 脳神経根を同定し理解する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
15 | 7/3(木)① | 【実習3 (系統解剖実習室)】小脳 | 小脳の構造と神経回路を理解する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
16 | 7/3(木)② | 【実習4 (系統解剖実習室)】 大脳半球 | 大脳半球の構造と神経回路を理解する | 阪上 洋行 | 解剖学(阪上単位) |
17 | 7/10(木)③ | 【実習5 (顕微鏡実習室)】 中枢神経の組織学 | 中枢神経を構成する細胞、大脳皮質、海馬の構造を顕微鏡観察を通して理解する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
18 | 7/10(木)④ | 【実習6 (顕微鏡実習室)】 中枢神経の組織学 | 小脳皮質、脊髄の構造を顕微鏡観察を通して理解する | 阪上 洋行 菅原 健之 原 芳伸 | 解剖学(阪上単位) |
【授業時間外に必要な学習の時間:60 分】
予習:
・講義に関しては、次回の授業範囲の教科書を通読しておくこと。
・実習に関しては、前もって配布する実習の手引きを理解しておくこと。
復習:
・講義で配布した資料に沿って、教科書とともに復習すること。神経回路や主な脳や脊髄の断面を模式図で示し、主な神経回路や神経路の名称を記載できるようにする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 神経解剖学講義ノート | 寺島俊雄 | 金芳堂 |
教科書 | マーティン神経解剖学 テキストとアトラス | Martin | 西村書店 |
教科書 | 人体解剖学 | 藤田恒太郎 | 南江堂 |
教科書 | ネッター解剖学 | 南江堂 | |
参考書 | 神経解剖学実習要項 | 配布資料 | |
参考書 | 解剖実習の手びき | 寺田春水、藤田恒夫 | 南山堂 |
参考書 | カンデル神経科学 | メディカル・サイエンス・インターナショナル | |
参考書 | スタンフォード神経生物学 | メディカル・サイエンス・インターナショナル | |
参考書 | ブレインブック | リタ・カーター | 南江堂 |
参考書 | 記憶のしくみ | 講談社ブルーバックス |
⑴ 神経組織を構成する細胞の構造的特徴と機能を説明できる。
⑵ 中枢神経系(脳・脊髄)の各構造と機能を説明できる。
⑶ 脳室系の構造と脳脊髄液の循環を説明できる。
⑷ 脳の血管系と供給領域を説明できる。
⑸ 上行性神経伝導路を説明できる。
⑹ 下行性神経伝導路を説明できる。
⑺ 神経系の発生を説明できる。
⑻ 実習は御献体により成り立っており、献体制度を理解し、御献体に対して敬意と尊厳を持って実習に臨む。
⑴ 実習での課題レポート内容(10%)
⑵ 定期試験(90%)
*御献体により成り立っている実習の欠席は原則として認めない。
⑴ 脳実習は御献体により成り立っているので、原則欠席は認めない。また、標本を尊厳を持って取り扱うこと。
⑵ 講義と実習は密接に関連しているので、講義の欠席は実習の理解のうえで重大な支障を来すこととなるので留意すること。
⑶ 実習は肉眼解剖学実習室と顕微鏡実習室で行う。顕微鏡実習室での実習は組織学実習と同様に色鉛筆を持参すること。
⑷ 実習中は白衣を着用し、見やすいところに名札をつけること。
⑸ 写真撮影などは一切認めない。
⑹ 質問などに対応するオフィスアワーは、木曜日の昼休み(医学部新校舎3階 解剖学教室)とします。