英文名 | Pharmacology | |
---|---|---|
科目概要 | 2年前期[20コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 天野 英樹 | |
担当者 | 天野 英樹※, 伊藤 義也※, 細野 加奈子, 鎌田 真理子※, 畑中 公※, 熊谷 雄治, 小林 義典, 及川 淳※ | |
教室 | M103(新校舎1階大講義室) |
臨床的知識を踏まえ生体内の役割とそれらに影響を与える治療薬について説明する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: |
臨床医の殆どは薬を処方する。治療薬には「中枢神経系に作用する薬」「循環系に作用する薬」など実際の治療に用いる薬物もあるが、これらの薬物については系別総合教育で講義する。薬理学総論ではそれを学ぶ前に「薬とは何か」「薬理作用の基本」といった「総論」をまず学んでもらう。生理的機能は勿論、病態においてもすべての細胞は、情報が伝達されるとそれに応じて反応する。治療に用いられる薬は情報を伝達する物質の働きを抑制したり、時に促進したりすることによって症状を軽減することが多い。中枢から末梢への情報伝達は神経系及び内分泌系によってなされ、それぞれ①神経伝達物質及び②ホルモンを介して全体の制禦がなされる。この他局所において細胞間に働く物質群(③ケミカルメディエータ)がある。これらのうち内分泌系②については独立した総合科目があるので、それを除く他の二つについて、生体内の役割とそれらに影響を与える治療薬について臨床医学と結びつけられるように学んでもらう。
⑴ 総論:薬物が作用する基本形式。受容体と情報伝達。薬物を投与してから、作用点に達するまでの経路、排泄。安全性と副作用。医薬品開発などについて学ぶ。
⑵ 自律神経系:交感神経系と副交感神経系の作用とそれを修飾する種々の薬物について学ぶ。これは高血圧症や消化器系疾患の治療薬の基礎となる。
⑶ ケミカルメディエータ:炎症、高血圧、血栓といった種々の病態を引き起こしているのはこの群に属する物質群である。これらを学ぶことにより病態の基礎が理解できる。また、これらに対する治療薬も学ぶ。
病態を理解し、薬物の作用の仕方を知るためにはこれらの「物質」を知ることは勿論であるが、その基礎となる解剖学と生理学の知識、さらに病理学の知識が必要である。そうでなければ「理解」でなく「暗記」に頼ることになる。
講義資料をGoogle Classroomにて配布。必要に応じ、ビデオ等の動画を供覧する。
本試験不合格者には補習を行ない、理解を助ける。
本試験合格者で希望者に対してアドバンス講義を行う予定である。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6/13(金)① | 薬とは | 薬物の特徴とその作用の限界 | 天野 英樹 | 薬理学 |
2 | 6/13(金)② | 薬理作用の基本1 | 薬理作用の基本概念 | 天野 英樹 | 薬理学 |
3 | 6/20(金)① | 薬理作用の基本2 | 薬物の受容体とその特徴 | 天野 英樹 | 薬理学 |
4 | 6/20(金)② | 臨床薬理学3 | 有害事象 | 天野 英樹 | 薬理学 |
5 | 6/23(月)③ | 臨床薬理学1 | 薬物の生体内での動態1 | 熊谷 雄治 | 名誉教授,北里研究所病院研究部 |
6 | 6/23(月)④ | 臨床薬理学2 | 薬物の生体内での動態2 | 熊谷 雄治 | 名誉教授,北里研究所病院研究部 |
7 | 6/27(金)① | 臨床薬理学4 | 妊婦・小児と薬 | 天野 英樹 | 薬理学 |
8 | 6/27(金)② | 臨床薬理学5 | 抗感染症薬と薬剤耐性 | 伊藤 義也 | 薬理学 |
9 | 7/1(火)② | 臨床薬理学6 | 医薬品の開発 | 及川 淳 | 臨床研究センタープロジェクト実施部門 |
10 | 7/2(水)① | 臨床薬理学7 | 薬理作用を修飾する因子 | 及川 淳 | 臨床研究センタープロジェクト実施部門 |
11 | 7/4(金)① | 自律神経系に作用する薬物1 | 交感神経作用薬 | 畑中 公 | 非常勤教員 |
12 | 7/4(金)② | 自律神経系に作用する薬物2 | 副交感神経作用薬 | 細野 加奈子 | 薬理学 |
13 | 7/7(月)③ | 中枢神経系に作用する薬物 | 神経伝達物質標的薬 | 伊藤 義也 | 薬理学 |
14 | 7/7(月)④ | ケミカルメディエーター1 | セロトニン,エンドセリン | 伊藤 義也 | 薬理学 |
15 | 7/8(火)③ | ケミカルメディエーター2 | ヒスタミン | 伊藤 義也 | 薬理学 |
16 | 7/8(火)④ | ケミカルメディエーター3 | プロスタグランジン類 | 畑中 公 | 非常勤教員 |
17 | 7/10(木)① | ケミカルメディエーター4 | ブラジキニン, アンギオテンシン | 鎌田 真理子 | 薬理学 |
18 | 7/10(木)② | ケミカルメディエーター5 | サイトカイン(抗体医薬、分子標的薬) | 細野 加奈子 | 薬理学 |
19 | 7/11(金)① | 漢方薬 | 東洋医学、漢方薬 | 小林 義典 | 薬学部 |
20 | 7/11(金)② | 薬理学総論まとめ | 天野 英樹 | 薬理学 |
関連する解剖学、生化学、生理学の領域を復習しておくこと。
1コマ当りの予習復習に必要な時間は1 ~ 2時間。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 特に指定しない | ||
参考書 | 薬がみえる(第2版vol.1~3 , 第1版vol.4) | 医療情報科学研究所 編 | メディックメディア |
参考書 | 標準薬理学(第8版) | 飯野正光 監修 | 医学書院 |
講義の中で、VTR、アニメーションなど適時供覧する。
・ 薬とは何か、その特徴を説明できる。
・ 薬理学の基本概念を説明できる。
・ 用量反応曲線を説明できる。
・ 薬理学的拮抗を説明できる。
・ 神経伝達物質、自律神経系の役割を説明できる。
・ 自律神経系に作用する薬物を説明できる。
・ ケミカルメディエータの生体内生成系、役割を説明できる。
・ 薬物の吸収、分布、代謝を説明できる。
・ 二重盲検法を説明できる。
・ 医薬品開発の手続きを説明できる。
・ 有害事象、副作用を説明できる。
・ 薬物の相互作用を説明できる。
・ 東洋医学・漢方薬の薬理学的基礎を説明できる。
小テスト10% 定期試験90%
最初の講義で評価基準に対して詳細に説明します。
本試験が不合格になった場合、補講を受講してもらう時があります。
薬理学各論は系別総合教育の中で講義されるので、その理解のためにこの薬理学総論は基礎となります。