英文名 | Parasitology and Tropical Medicine | |
---|---|---|
科目概要 | 2年後期[16コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 辻 尚利 | |
担当者 | 辻 尚利※, 八田 岳士※, 川田 逸人, 北 潔※ | |
教室 | M103(新校舎1階大講義室) |
辻 尚利:アフリカでの医療活動を踏まえ感染症の実態を解説している。
八田 岳士:アフリカでの医療活動を踏まえ感染症の実態を解説している。
1. プロフェッショナリズムと倫理: | 4. 知的探究と自律的学習: ◯ | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: ◯ |
3. 医学的知識と技術: ◯ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: ◎ |
寄生虫学・熱帯医学では、日本において日常の臨床活動で遭遇するであろう寄生虫(衛生動物を含む)および世界的に多くの人々がその感染に悩まされている代表的な病原寄生虫を取り上げ、寄生虫の生物学的基礎事項と、寄生虫疾患の診断・治療・予防について概説し、寄生虫学についての理解と認識を深める。講義内容を実感として理解を深めるため、講義と並行して、代表的な寄生虫やその病態を観察し、実際に役立つ実践的な人体寄生虫学の習得を目標とする。
寄生虫学・熱帯医学では総論、各論及び実習に分けて講義を行う。総論では寄生虫学で扱われる原虫、蠕虫(線虫、吸虫、条虫)及び衛生動物の種類、寄生様式などの生物学的特性、宿主と寄生虫の相互関係などを学ぶ。各論では原虫類、線虫類、吸虫類、条虫類及び衛生動物に属する寄生虫の分類、形態、生活環とそれらの寄生虫による疾病の疫学、病態、診断、治療及び予防法を学ぶ。実習では顕微鏡及び肉眼による虫卵、虫体の観察を通して各種寄生虫性疾患を理解する。
教科書に加えてプリントを配布し、それに基づいて講義を進める。講義の各項目と並行して実習を行い、実習ノートには講義内容を参考にしながら、実習の目的・結果・考察等を記載する。全講義・実習の終了後、レポートを提出させ、内容を確認した上で、課題の中で特に特徴的な見解や誤解についてコメントを付して返却する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9/16(火)③ | 寄生虫学総論 | 寄生虫の種類、生物学的特性、宿主と寄生虫の相互関係について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
2 | 9/16(火)④ | 原虫学総論 | 寄生原虫類の種類、生物学的特性、宿主と原虫の相互関係などについて学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
3 | 9/18(木)③ | 蠕虫学総論 線虫症⑴ | 寄生蠕虫及び線虫類の生物学的特性、宿主と寄生虫の相互関係などについて学ぶ。回虫、鉤虫の分類、形態、生活環とそれらの線虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
4 | 9/18(木)④ | 線虫症⑵ | 蟯虫、フィラリア、糞線虫、アニサキス、顎口虫、その他の線虫の分類、形態、生活環とそれらの線虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
5 | 9/25(木)③ | 吸虫症 | 吸虫類の生物学的特性、宿主と吸虫の相互関係について学ぶ。日本住血吸虫、肺吸虫の分類、形態、生活環とそれらの吸虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 八田 岳士 | 寄生虫学・熱帯医学 |
6 | 9/25(木)④ | 条虫症 | 条虫類の生物学的特性、宿主と条虫の相互関係などについて学ぶ。 日本海裂頭条虫(広節裂頭条虫)、マンソン裂頭条虫、エキノコックス、その他の条虫の分類、形態、生活環とそれらの条虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 八田 岳士 | 寄生虫学・熱帯医学 |
7 | 10/17(金)① | 原虫症⑴ | 赤痢アメーバ、ジアルジア、クリプトスポリジウムの分類、形態、生活環とそれらの原虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
8 | 10/17(金)② | 原虫症⑵ | マラリア、トリコモナス、トキソプラズマ、その他の原虫の分類、形態、生活環とそれらの原虫による疾病の疫学、病態、診断、治療・予防について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
9 | 10/27(月)③ | 衛生動物学 | 衛生動物の種類、生物学的特性、宿主と衛生動物の相互関係などについて。ダニ類、昆虫類の生物学的特性とそれらの病害、媒介感染症について学ぶ。 | 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
10 | 10/27(月)④ | 抗寄生虫薬の開発とその波及《特別講義》 | 寄生虫性疾患を中心に熱帯・亜熱帯地域の感染症の現状と予防対策について学ぶ。 | 北 潔 | 客員教授 |
11 | 10/28(火)③ | 実習1:マラリア 【オンデマンド】 | 講義で学んだマラリア原虫の形態観察を通して、熱帯熱マラリア等の診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 川田 逸人 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
12 | 10/28(火)④ | 実習2:原虫性疾患 【オンデマンド】 | 講義で学んだ赤痢アメーバ等の原虫の形態観察を通して、原虫性疾病診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 川田 逸人 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
13 | 10/30(木)③ | 実習3:線虫性疾患 【オンデマンド】 | 講義で学んだ回虫等の線虫の形態観察を通して、線虫性疾病診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 川田 逸人 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
14 | 10/30(木)④ | 実習4:線虫性疾患 【オンデマンド】 | 講義で学んだフィラリア等の線虫の形態観察を通して、線虫性疾病診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 川田 逸人 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
15 | 11/4(火)③ | 実習5:吸虫・条虫性疾患 【オンデマンド】 | 講義で学んだ吸虫・条虫の形態観察を通して、吸虫・条虫性疾病診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
16 | 11/4(火)④ | 実習6:吸虫・条虫性疾患 【オンデマンド】 | 講義で学んだ吸虫・条虫の形態観察を通して、吸虫・条虫性疾病診断、予防治療に役立つ知識を習得する。 | 八田 岳士 川田 逸人 辻 尚利 | 寄生虫学・熱帯医学 |
予習・復習に必要な時間数:各回60分
各論は寄生虫種別に講義を行う。
予習:予め配布されたプリント、教科書・参考書によってその寄生虫の概要、特に生物学的な生活環を学習しておく。
復習:授業で配布されたプリントやスライドのハンドアウト、授業中のメモを整理し、不明点を明確にする。理解が不十分な部分は、指定教科書や参考書を参照し、学習を深める。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 図説人体寄生虫学 | 吉田幸雄 | 南山堂 |
参考書 | 標準医動物学 | 石井 明 他(編) | 医学書院 |
参考書 | 新医寄生虫学 | 石崎 達(編) | 第一出版 |
参考書 | 臨床寄生虫学カラーアトラス | 山口富雄(編) | 南江堂 |
ビデオ:
⑴回虫、⑵蟯虫、⑶鉤虫、⑷水中の脅威、⑸地方病との闘い −第1部 水腫腸満−、⑹地方病との闘い −第2部 治療と撲滅−、
⑺日本住血吸虫、⑻風土病との闘い
1)寄生虫の分類上の基本的な形態的特徴を説明できる。
2)主要な寄生虫疾患の病原体、生活史、感染経路、寄生部位を説明できる。
3)主要な寄生虫疾患の症状、検査法、予防、治療などの概要を説明できる。
4)衛生動物とそれらが媒介する疾患を説明できる。
5)日本における寄生虫及び節足動物媒介性疾患の推移と現状を説明できる。
6)世界における寄生虫及び節足動物媒介性疾患の推移と現状を説明できる。
7)顧みられない熱帯病(NTDs)を説明できる。
8)人獣共通感染症と寄生虫・節足動物媒介性疾患の関わりを説明できる。
9)熱帯医学と寄生虫・節足動物媒介性疾患の関わりを説明できる。
10)グローバルヘルスと寄生虫・節足動物媒介性疾患の関わりを説明できる。
評価は定期試験(70%)、実習レポート(30%)を総合して評価する。
実習に際して、診断・同定のために標本上の寄生虫体の何処をどのように観察するべきか学習し、実習ノート(レポート)に予め記載しておくこと。