英文名 | Integral basic medicine | |
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科目概要 | 2年後期[8コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 小川 元之 | |
担当者 | 藤岡 正人※, 高田 史男※, 村雲 芳樹※, 小川 元之※, 天野 英樹※, 三枝 信※, 阪上 洋行※, 堀口 兵剛※, 堤 明純※, 堺 隆一※, 萬代 研二※, 山田 玲※, 佐藤 俊哉※, 佐藤 文子※, 高山 吉永, 安岡 有紀子, 鎌田 真理子, 佐々木 千寿子, 丸尾 知彦※ | |
教室 | M103(新校舎1階大講義室) |
藤岡 正人・高田 史男・村雲 芳樹・小川 元之・天野 英樹・三枝 信・阪上 洋行・堀口 兵剛・堤 明純・堺 隆一・萬代 研二・山田 玲・佐藤 俊哉・佐藤 文子・丸尾 知彦
医師、研究者として学んできた知識や経験を、有機的に結び付け、水平統合型教育に反映する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◯ |
2. コミュニケーション能力: ◯ | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◯ | 9. 国際貢献: ◯ |
統合基礎医学の講義内容は、これまでの学問体系で学んできたことを俯瞰し、横断的に知識や思考を結びつけることを目的とする。また従来の知識伝達型の講義ではなく、教員、学生が一体となり、ディスカッションを進めることで、より深い理解と考える力を涵養する。
1.「遺伝学的検査・診断と遺伝医療」では、昨今の遺伝学的検査の基礎的進歩と臨床応用、検査としての発展から個別化医療までを横断的・俯瞰的に学習し、科学と社会の関係についてを原点に立ち戻って考える。
2.「小細胞肺癌と非小細胞肺癌」では、小細胞肺癌と非小細胞肺癌について、発生母地となる肺の解剖とともに、病理組織、臨床病態、治療の違いについて学習する。
3.腎糸球体の濾過機能とその障害について学習する
4.「有機リン中毒」では、有機リン中毒の使用と中毒発生の状況、有機リン中毒に対して用いられる治療薬及びその副作用、有機リン中毒による死亡例の所見と診断に至るまでのプロセスなどについて学習する。
5.「生活習慣とがんの発生・進展」では、がんの発生と進展のメカニズムと生活習慣および環境要因との関係について学習する。
6.「細胞接着」では、細胞接着とシナプスの形成機構と生理機能ならびに疾患の発症と病態の進展との関わりについて学習する。
7.「遺伝性脊髄小脳変性症」では、日本人に多い遺伝性脊髄小脳変性症である歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)を題材に、基礎医学の応用により病気の理解が深まることを学習する。
8.日本における自殺発生状況、自殺予防について学ぶ。
各回を複数の基礎医学分野の教員が担当し、講義テーマに関して各分野の視点から講義要旨集に沿って講義、討論を行う。また、フィードバックは次のとおり行う。
①各回の主担当の教員が該当回に提出されたレポート全体に関するコメント(総評)を掲示する。
②定期試験の問題と解答(MCQ の答えのみ)、平均点、標準偏差、点数分布を掲示する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 9/26(金)④ | 遺伝学的検査・診断と遺伝医療(いま、現場で起きていること) | 昨今の遺伝学的検査の基礎的進歩と臨床応用、検査としての発展から個別化医療までを横断的・俯瞰的に学習し、科学と社会の関係についてを原点に立ち戻って考える。 | 藤岡 正人 高田 史男 高山 吉永 | 分子遺伝学 医療系研究科 |
2 | 10/14(火)② | 小細胞肺癌と非小細胞肺癌 | 小細胞肺癌は何故その他の肺癌と区別されるのか、両者の違いを基礎と臨床の両面から学ぶ | 村雲 芳樹 小川 元之 天野 英樹 | 病理学(村雲単位) 解剖学(小川単位) 薬理学 |
3 | 10/21(火)② | 腎糸球体の濾過機能とその障害 | ネフローゼ症候群の発生機序とその病態生理 | 三枝 信 阪上 洋行 安岡 有紀子 鎌田 真理子 | 病理学(三枝単位) 解剖学(阪上単位) 生理学(高橋単位) 薬理学 |
4 | 10/27(月)① | 有機リン中毒 | 有機リンは一般的な殺虫剤として農薬で使用されることが多い。有機リン中毒は有機リン剤を飲み込んでしまった時や皮膚に付着したことで生体内のコリンエステラーゼ活性が阻害されて急性のムスカリン中毒症状及び一部のニコチン症状を引き起こす。 本講義では、①有機リン中毒の社会的背景、②有機リン中毒に対する治療、③有機リン中毒による死亡例の所見と診断について解説する。 | 堀口 兵剛 天野 英樹 佐々木 千寿子 | 衛生学 薬理学 法医学 |
5 | 10/27(月)② | 生活習慣とがんの発生・進展 | がんの発生と悪性化のメカニズムについて、遺伝子のキズの蓄積と生活習慣や環境要因の関りを中心に理解を深める | 堤 明純 堺 隆一 村雲 芳樹 | 公衆衛生学 生化学(堺単位) 病理学(村雲単位) |
6 | 10/28(火)② | 細胞接着 | 細胞接着の形成機構と疾患との関わりについて概説する。 | 萬代 研二 丸尾 知彦 山田 玲 | 生化学(萬代単位) 生理学(山田単位) |
7 | 11/4(火)② | 遺伝性脊髄小脳変性症 | DRPLAで侵される特定の神経回路がもつ生理学的機能と臨床症状の関係、疾患モデルマウスの開発、希少疾患に対する治療戦略について解説する。 | 佐藤 俊哉 阪上 洋行 山田 玲 | 実験動物学 解剖学(阪上単位) 生理学(山田単位) |
8 | 11/6(木)④ | 自殺予防 | 日本における自殺の発生状況および自殺予防について学ぶ。 | 佐藤 文子 堤 明純 | 法医学 公衆衛生学 |
予習(30分):各回のテーマについて、講義要旨集を中心に予習しておく。
復習(30分): 講義内容を参考にして、講義要旨集を十分に復習する。特に、講義内容を横断的に理解し、知識を結び付けるようにすること。
【第1回】
遺伝学的検査の歴史とNGSなどの最新の診断技術、Precision MedicineとPersonalized Medicineの違いを説明できる。「ゲノム医療推進法」について説明できる。
【第2回】
小細胞肺癌と他の肺癌との違いについて説明できる。
【第3回】
ネフローゼ症候群の発症機序とその病態生理について説明できる。
【第4回】
有機リン中毒の発生状況、有機リン中毒に対する治療法とその副作用、有機リン中毒死の死体所見などについて説明できる。
【第5回】
がんの発生と進展のメカニズムに関わる生活習慣と環境要因について説明できる。
【第6回】
細胞接着の生理機能と疾患の発症に果す役割について説明できる。
【第7回】
DRPLAの神経変性部位の知識から臨床像を説明でき、その発症機構や治療法についても分子遺伝学的に説明できる。
【第8回】
自殺予防について説明できる。
定期試験:60%、レポート:40%。
全ての講義について、それぞれ400 字程度のレポートを提出する。提出期限は講義の受講日から1週間以内とする(例:9/20(金)の講義の場合、提出期限は9/27(金))。