英文名 | Gastrointestinal System | |
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科目概要 | 3年前期[21コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 草野 央 | |
担当者 | 草野 央※, 林 俊治※, 三枝 信※, 小林 清典※, 吉田 功※, 日高 央※, 佐藤 雅, 新井 雄太, 安岡 有紀子, 伊藤 義也※, 三浦 啓壽※, 眞山 到※, 櫻井 靖高※, 栃本 昌孝※, 渋谷 明隆※, 木田 光広※, 市川 尊文※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
草野 央ほか:
大学病院での診療経験を踏まえ、消化管と肝・胆・膵の各臓器の正常構造及びその機能や各消化器疾患における病態について概説する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: | 4. 知的探究と自律的学習: ◯ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
消化器系は消化管と肝臓、胆道、膵臓より成り、消化・吸収と代謝、さらには免疫を担っている。
本項では消化管と肝・胆・膵の各臓器の正常構造及びその機能を理解し、各消化器疾患における病態を理解することが目標である。
消化器の構造、消化器の機能、消化器疾患の病理ならびに病態生理、消化器系に作用する薬物につき講義する。
正常構造についての解剖学の講義に始まり、消化管ホルモン、消化と吸収などの生化学、生理学の基礎についての講義を行う。腸管感染症につき、微生物学ならびに寄生虫学の講義を行う。さらに臨床的に重要な消化管、肝・胆・膵疾患の病理、病態生理について、病理学的ならびに内科的立場から講義・実習を行う。また、消化器系に作用する薬物についても講義を行う。
講義要旨集に沿って、講義を進める。講義要旨集以外にも教科書や担当教員の配布資料やパワーポイントを使用して講義を実施する。
消化管および肝・胆・膵の病理について、病理実習を行う。
講義中に課題を提示・回収し、講義をすすめていく中で模範解答および特徴的な見解や誤解について解説する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 4/1(火)② | 消化器の解剖学 | 消化器の構造と機能を説明する | 新井 雄太 | 解剖学(小川単位) |
2 | 4/3(木)② | 消化管上皮の分泌と吸収 | 胃酸分泌と制御機構、小腸の消化液分泌と水・溶質の吸収、大腸粘膜のイオン輸送他 | 安岡 有紀子 | 生理学(高橋単位) |
3 | 4/4(金)① | 食道・胃疾患の病態生理 | 病因の理解と病状の診断について概説する | 草野 央 | 消化器内科学 |
4 | 4/10(木)② | 口腔・食道の病理 | 消化器系の病理学(口腔・食道) | 栃本 昌孝 | 病理学(三枝単位) |
5 | 4/11(金)④ | 肝疾患の病態生理 (門脈圧亢進症・肝癌) | 門脈圧亢進を中心に解説する。肝細胞癌の全体像について理解を深める | 日高 央 | 消化器内科学 |
6 | 4/16(水)② | 胃疾患の病理 | 消化器系の病理学(胃) | 栃本 昌孝 | 病理学(三枝単位) |
7 | 4/23(水)② | 腸疾患の病態生理 | 最初に腸管の構造と生理機能(運動や消化吸収、排便反射など)について確認する。つぎに腸疾患を、①腫瘍性疾患、②炎症に起因する疾患、③運動異常に起因する疾患、④その他にわけて、代表的疾患の概念、誘因や原因、病態生理について解説する | 小林 清典 | 非常勤教員 |
8 | 4/28(月)① | 消化器における免疫反応の特性 | 消化器系における免疫応答に関与する細胞、分子について概説する | 佐藤 雅 | 免疫学 |
9 | 4/28(月)② | 消化管ホルモン | 消化管ホルモンの構造・機能について理解を深める | 市川 尊文 | 医療衛生学部 |
10 | 5/13(火)③ | 腸管感染① | 細菌とウイルスによる腸管感染症と食中毒について概説する。病原菌が腸管感染防御機構を巧妙にかいくぐり感染をおこす機序や腸管感染後の合併症にも言及する | 林 俊治 | 微生物学 |
11 | 5/13(火)④ | 腸管感染② | 人体寄生虫による消化管感染症について | 林 俊治 | 微生物学 |
12 | 5/20(火)③ | 腸疾患の病理 | 消化器系の病理学(大腸・小腸) | 吉田 功 | 新世紀医療開発センター(横断的医療領域開発部門) |
13 | 6/9(月)③ | 消化系に作用する薬物 | 1)消化器の機能を調節する生体内活性物質の役割 2)消化器疾患の治療薬(消化性潰瘍治療薬、消化管運動改善薬など) | 伊藤 義也 | 薬理学 |
14 | 6/11(水)② | 肝疾患の病態生理 (肝硬変・ウィルス性肝炎) | 肝硬変の病態、特に腹水と黄疸の機序・ウィルス肝炎の基礎、診断マーカーについて | 渋谷 明隆 | 非常勤教員 |
15 | 6/11(水)⑤ | 肝臓の機能 | 生化学、薬学、解剖学、組織学などの知識を統合して、肝臓の機能と、その機能が損なわれる原因と病態について講義する | 日高 央 | 消化器内科学 |
16 | 6/17(火)④ | 腹膜疾患の病態生理 | 急性腹症(急性腹膜炎を中心に)の診断・治療について説明する | 三浦 啓壽 | 下部消化管外科学 |
17 | 6/18(水)⑤ | 膵疾患の病態生理 | 膵疾患の症状と診断について概説する | 木田 光広 | 非常勤教員 |
18 | 6/26(木)③ | 肝疾患の病理 | 消化器系の病理学(肝) | 三枝 信 | 病理学(三枝単位) |
19 | 6/26(木)④ | 胆・膵疾患の病理 | 消化器系の病理学(胆・膵) | 栃本 昌孝 | 病理学(三枝単位) |
20 | 7/2(水)③ | 病理実習① (消化器) 【M−201】 | 消化器病理の実習 | 眞山 到 櫻井 靖高 | 病理学(村雲単位) |
21 | 7/2(水)④ | 病理実習② (消化器) 【M−201】 | 消化器病理の実習 | 眞山 到 櫻井 靖高 | 病理学(村雲単位) |
予習:講義前にあらかじめ講義要旨集に目を通し、講義内容を把握しておくこと。
第2学年までに履修した消化器系に関する解剖学、組織学、生理学等の知識を事前に再確認しておくこと。
復習:講義を受けた内容について、教科書等で改めて復習すること。
1 コマ当たりの予習に2 時間、復習に1 時間が必要と考える。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義要旨集 | ||
参考書 | 胃酸関連疾患の病態と治療 | Irrin M 他 | 医学書院 |
参考書 | 人体の正常構造と機能Ⅲ消化管 | 河原克雅 他 | 日本医事新報社 |
参考書 | 消化器病診療-良きインフォームド・コンセントに向けて | 医学書院 | |
参考書 | 病気が見えるvol.1 消化器 | メディックメディア |
1)消化器系の疾患の理解に必要な消化器官の正常構造、機能を説明できる。
2)消化管運動の仕組みを説明できる。
3)消化器官に対する自律神経の作用を説明できる。
4)消化器官における消化吸収の仕組みを説明できる。
5)消化管ホルモンの作用を説明できる。
6)便形成、排便の仕組みを説明できる。
7)咀嚼、嚥下の仕組みを説明できる。
8)腸内細菌叢について説明できる。
9)消化管感染症について説明できる。
10)消化器官に作用する薬物について説明できる。
11)主たる消化器官疾患における病態生理を説明できる。
筆記試験および受講態度により評価する。なお、欠席は減点対象とする。
1)定期試験(80%)
2)講義への参加態度(10%)
3)実習への参加態度(10%)