英文名 | Basic Oncology | |
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科目概要 | 3年前期[8コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 堺 隆一 | |
担当者 | 堺 隆一※, 天野 英樹※, 堤 明純※, 村雲 芳樹※, 末永 忠広※, 堤 良平※, 松本 俊英※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
臨床経験や研究所での経験を活かし、臨床腫瘍系の講義につながるがんの病態や治療に関連した話題を入れる。
1. プロフェッショナリズムと倫理: | 4. 知的探究と自律的学習: | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
がんの予防・診断・治療に関わる最新の臨床的な知識を学ぶのに先立って、がんの発生や進展の分子メカニズム、がんのゲノム異常、がんの疫学、がん免疫、がんの分子病理診断などについて基礎的な知識を系統的に学び、身につけておくことが極めて重要である。
本科目では細胞生物学・生化学・遺伝学・免疫学・病理学などの基礎科目の習得が一通り完了した3年前期に、これらの科目の知識に基づいてがんという疾患について理解し、3年後期の「臨床腫瘍学」につながる知識の基盤を作ることを目標とする。
⑴ がん発生の分子機序とがん遺伝子・がん抑制遺伝子
⑵ がんの転移とがん細胞の特性
⑶ がんと炎症、がんの微小環境
⑷ がんの疫学や予防法
⑸ がんにおけるゲノム安定性の破綻と家族性腫瘍
⑹ 感染症による発がん機構
⑺ がんの分子病理診断
⑻ 腫瘍免疫とチェックポイント機構
以上の項目について系統的に講義を行う。
試験については試験問題と共に解答例をM1-4F 共通セミナー室の所定の柵に公開する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 5/27(火)③ | がん発生の分子機序 | がんの発生の分子機序とがん遺伝子・がん抑制遺伝子の機能 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
2 | 5/27(火)④ | がんの転移とがん細胞の特性 | がんの悪性化とがん転移のメカニズム、がん細胞の獲得した特性 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
3 | 6/2(月)③ | がんの微小環境 | がんと炎症、間質細胞・腫瘍血管などがんの微小環境の特徴 | 天野 英樹 | 薬理学 |
4 | 6/2(月)④ | がんの疫学、検診 | 我が国のがんの疫学と、それに基づく個人・集団における予防方策及び国策としてのがん対策基本法、がん検診の効果について | 堤 明純 | 公衆衛生学 |
5 | 6/5(木)③ | がんの分子病理診断 | がんの分子病理学的検査法とコンパニオン診断薬について | 松本 俊英 | 医療衛生学部 |
6 | 6/5(木)④ | 感染症とがん | 肝炎ウイルス、パピローマウイルス、ピロリ菌など、ウイルスや細菌によるがんの発生機序 | 堤 良平 | 生化学(堺単位) |
7 | 6/6(金)① | がんのゲノム変化と家族性腫瘍 | がんにおけるゲノム安定性の破綻および遺伝性がんについて | 村雲 芳樹 | 病理学(村雲単位) |
8 | 6/6(金)② | がんと免疫 | 腫瘍のチェックポイント機構 | 末永 忠広 | 免疫学 |
予習: 特に必要としないが、できれば参考図書などで関連したページについて読んでおく。
復習: プリントを見返し、わからない点を参考図書などを用いて調べたり質問したりする。
予習・復習あわせて1コマ当たり2時間の準備学習を要する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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参考書 | がんの生物学(原著第2版) | Weinberg著( 武藤誠、青木正博 訳) | 南江堂 |
参考書 | 国民衛生の動向 2022/2023 | 厚生労働統計協会 | |
参考書 | 免疫生物学(原著第9版):第16 章 | (笹月健彦/ 吉開泰信 監訳) | 南江堂 |
参考書 | シンプル免疫学(改訂第5版) :基本編Part II 11「がんと免疫」、展開編11-2「がん免疫の展開」 | (中島泉・高橋利忠・吉開泰信 著) | 南江堂 |
1)がん発生の分子メカニズムを、がん遺伝子やがん抑制遺伝子などとの関りで説明できる。
2)がんの転移のメカニズムやがんの不均一性・がんの微小環境について概説できる。
3)がんと炎症の関りやがん微小環境の働きについて説明できる。
4)がんにおけるゲノムの異常を説明でき、家族性腫瘍に関わる遺伝子を挙げることができる。
5)ウイルスや細菌に起因する腫瘍の種類とその発がんメカニズムについて説明できる。
6)基本的ながんの分子病理診断とその治療法について説明できる。
7)がん検診やがんの統計・疫学について概説できる。
8)がんのリスクファクターや予防法について説明できる。
9)がん対策基本法とがん対策推進基本計画について説明できる。
10)がんに対する免疫応答の基本を理解し、近年のチェックポイント阻害やCAR-T などの作用機序を説明できる。
講義・学習に取り組む態度20%、試験80%