英文名 | Diagnostics and Therapeutics for Renal and Urinary System | |
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科目概要 | 3年後期[18コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 松本 和将 | |
担当者 | 竹内 康雄※, 守屋 達美※, 守屋 利佳※, 長場 泰※, 松本 和将※, 藤田 哲夫※, 青山 東五※, 石井 大輔※, 池田 勝臣※, 森 亘平※, 髙口 大※, 平野 修平※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
松本 和将、竹内 康雄ほか:
医学部、大学病院での教育、研究、臨床経験、海外留学の経験を活用し腎臓病学、泌尿器科学について教授する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: ◯ | 5. チーム医療: ◯ | 8. 地域医療: ◯ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◯ | 9. 国際貢献: ◯ |
腎尿路系で学んだ基礎医学の知識と基本的な病態の考え方を基に、腎実質疾患(糸球体、尿細管間質、腎内血管系)、尿路の炎症、腫瘍、感染症、先天異常等の代表的疾患の症候、病態、鑑別診断、治療を理解する。腎実質性疾患には原発性・続発性糸球体疾患、尿細管間質性疾患、血管・毛細血管障害、高血圧性腎障害、尿路疾患には尿路各部の良性・悪性腫瘍や感染症、結石症、先天奇形が含まれる。治療学では内科的治療(薬物、食事管理)、泌尿器科的手術、腎代替療法(透析療法、腎移植)を学び、臨床徴候から診断に至るまでの鑑別診断の過程を習得し、bedside learning へとつなげる。
「腎・尿路系診断・治療学」では、代表的な腎・尿路疾患の症候、病態および診断・治療に要求される知識を習得する。一次性・二次性糸球体疾患、尿細管間質疾患、腎・尿路腫瘍、腎不全などの病態や機序を知る。治療は、内科的治療、泌尿器科手術、透析療法、腎移植などを学ぶ。さらに腎・尿路系で学んだ疾患について、臨床徴候から診断に至るまでの鑑別診断の過程を修得し、5年生のBedside learning へとつなげる。
講義要旨集、推薦教科書、配布資料とパワーポイントを用いて講義を行う。
講義終了後、適宜質問を受け付ける。各教員が課題を付した場合、講評やコメントを学習支援システム(Google Classroom など)に提出する。.
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 8/19(火)② | 急性・慢性尿細管間質性腎炎・薬剤性腎障害 | 急性・慢性間質性腎炎および急性・慢性腎盂腎炎の病因・症候・診断と治療を概説する。 | 守屋 利佳 | 医学教育研究開発センター医学教育研究部門 |
2 | 8/21(木)③ | 水・電解質バランス異常に対する治療(輸液療法と薬物療法) | 水・電解質バランス異常に対する治療について病態生理にもとづいて概説する。 | 竹内 康雄 | 腎臓内科学 |
3 | 8/27(水)④ | 急性腎炎症候群/ 慢性腎炎症候群/ ネフローゼ症候群 | 急性糸球体腎炎、IgA 腎症、MPGNMCNS、FSGS、MN について、その臨床像、病理所見、治療について説明する。 | 青山 東五 | 健康管理センター |
4 | 8/29(金)④ | 急速進行性腎炎症候群 (血管炎症候群①) | 血管炎症候群のそれぞれの疾患について、診断と鑑別方法を概説する。 | 青山 東五 | 健康管理センター |
5 | 9/5(金)① | 急速進行性腎炎症候群(血管炎症候群②)、代謝疾患、血液疾患に伴う腎障害 | 腎毛細血管炎について概説する。また、全身性疾患に関する腎疾患についても概説する。 | 青山 東五 | 健康管理センター |
6 | 9/10(水)⑤ | 尿路外傷/結石/尿路変向 | 腎、膀胱および尿道損傷などの尿路外傷および腎臓、尿管、膀胱、尿道に発生する結石症の基礎、診断、治療に関して概説する。さらに尿路閉塞により必要となる尿路変向術について講義する。 | 平野 修平 | 泌尿器科学 |
7 | 9/17(水)④ | 血液透析(HD)と腹膜透析(PD)療法/ 腎移植の現状と未来 | 腎代替療法における血液透析と腹膜透析の基礎と臨床について概説する。 腎移植療法の現状、手術方法、免疫抑制療法、合併症とその治療法、課題、移植療法の未来について講義する。 | 石井 大輔 | 泌尿器科学 |
8 | 9/25(木)① | 良性尿路閉塞疾患/過活動膀胱/神経因性膀胱/尿失禁 | 前立腺肥大症、過活動膀胱、神経因性膀胱などを中心に、下部尿路疾患の病態、薬物療法の作用機序、手術療法の有用性などに対する理解を深める。 | 平野 修平 | 泌尿器科学 |
9 | 10/1(水)⑤ | 糖尿病性腎症 | 糖尿病性腎症(腎症)の概念、臨床的意義、診断、治療 | 守屋 達美 | 非常勤教員 |
10 | 10/15(水)② | 腎腫瘍 | 腎臓に発生する腫瘍、特に腎細胞癌に関する基礎、診断、治療に関して概説する。 | 藤田 哲夫 | 泌尿器科学 |
11 | 10/21(火)③ | 診断へのアプローチⅠ | 症候、検査値異常、診察所見から腎疾患へ辿り着くプロセスを症例から考える。 | 竹内 康雄 | 腎臓内科学 |
12 | 11/4(火)② | 尿路上皮癌 | 腎盂・尿管・膀胱腫瘍の病態、診断と治療、および尿路変向術について概説する。 | 池田 勝臣 | 泌尿器科学 |
13 | 11/6(木)③ | 慢性腎臓病の病態と治療Ⅰ(保存期治療) | 慢性腎臓病の病態生理、保存期治療 | 長場 泰 | 腎臓内科学 |
14 | 11/6(木)④ | 慢性腎臓病の病態と治療Ⅱ(慢性腎不全合併症) | 慢性腎不全合併症についてその病態と治療 | 長場 泰 | 腎臓内科学 |
15 | 11/18(火)② | 診断へのアプローチⅡ | 症候、検査値異常、診察所見から腎疾患へ辿り着くプロセスを症例から考える。 | 竹内 康雄 | 腎臓内科学 |
16 | 11/19(水)④ | 小児泌尿器疾患/腎盂尿管移行部通過障害 | 小児泌尿器科疾患の特徴、治療について概説する。特に代表的な疾患である尿路奇形について講義する。 | 森 亘平 | 泌尿器科学 |
17 | 12/1(月)① | 前立腺癌 | 前立腺癌の疫学、診断、治療について、過去の医師国家試験問題で問われた内容も反映しながら解説する。 | 髙口 大 | 泌尿器科学 |
18 | 12/1(月)② | 診断へのアプローチ / 泌尿器科 | 泌尿器疾患特有の主訴、現病歴、検査所見を示し、診断にいたるアプローチを復習する。 | 松本 和将 | 泌尿器科学 |
予習:腎・尿路系講義要旨集の通読(1コマ当たり0.5時間)。
復習:講義内容や配布資料の復習(1コマ当たり1時間)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義要旨集および配布資料 | ||
参考書 | 議事録 腎臓学 | 木村健二郎、富野康日己 編 | メジカルビュー社 |
参考書 | 標準泌尿器科学 | 北川龍一 監修 | 医学書院 |
参考書 | Comprehensive Clinical Nephrology Fourth Edition | Elsevier Saunders | |
参考書 | Smith & Tanagho's General Urology | J.W.McAninch & T.F.Lue (eds.) | MCGRAW-HILL EDUCATION |
尿の異常CAPD マニュアル
尿路結石TUR-P のコツとイメージ
~絆~ある腎移植の記録
1.腎の生体恒常性維持機構(水、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン及び酸塩基平衡の調節)を確認し、その障害を説明できる。
2.急性・慢性腎機能障害の鑑別診断、進行機序と腎機能に応じた治療指針を説明できる。
3.原発性、続発性糸球体疾患(遺伝性疾患を含む)の鑑別診断、疾患各論と治療方針を概説できる。
4.尿細管間質性疾患(遺伝性、先天性疾患を含む)の鑑別診断、疾患各論と治療方針を概説できる。
5.尿路系の先天性疾患、奇形と機能異常について説明できる。
6.高血圧による腎障害の機序と病態を説明できる。
7.社会医学としての「慢性腎臓病」の病態の概要、病診連携診療の意義を説明できる。
8.腎代替療法の内容を学ぶ。
9.代表的な腎・尿路腫瘍の病態、診断、治療を説明できる。
10.尿路外傷の受傷機転、病態、診断、治療を説明できる。
11.尿路結石の成因と予防法、並びに病態、診断、治療を説明できる。
12.尿路閉塞性疾患の診断と治療を説明できる。
13.泌尿器内視鏡検査、内視鏡手術について説明できる。
14.腎移植に関わる法的、倫理的、社会的問題点について説明できる。
15.排尿の生理、蓄尿と排尿のメカニズムについて説明できる。
筆記試験(90%)、受講態度(10%)
「腎・尿路系」「腫瘍系」のテキストを適時参照すること。