英文名 | Diagnostics and Therapeutics for Endocrine System | |
---|---|---|
科目概要 | 3年後期[23コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 宮塚 健 | |
担当者 | 宮塚 健※, 市川 雷師※, 林 哲範※, 鈴木 陽彦※, 正木 嗣人※, 星山 綾子※, 藤田 哲夫※, 守屋 達美※, 松原 まどか※, 齋藤 淳※, 平井 法博※, 高野 幸路※, 鎌田 裕二※, 中嶋 真一※, 小田 慧※, 久保 晴丸※, 辻 諭※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
臨床経験を踏まえ、内分泌代謝疾患の診断方法、特徴的な内分泌検査や負荷試験方法とその評価方法を概説し、また各種疾患に対して、臨床の現場でどのような手順で治療が行われているかを解説する
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◯ |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: ◯ | 8. 地域医療: ◯ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◯ | 9. 国際貢献: |
内分泌・代謝系で修得した内分泌・代謝系の構造と機能および病理学、内分泌薬理学の知識を基礎にして主な内分泌・代謝疾患の病態生理、病因、症候、診断、治療を学び臨床実習に備える。
⑴糖尿病⑵代謝⑶下垂体⑷甲状腺⑸副甲状腺⑹副腎⑺内分泌腫瘍のそれぞれの分野の疾患について、診断と検査の基本、病態生理、病因、症候、診断、治療について講義する。
⑴ 糖尿病では、糖尿病の病因、病態生理、分類、症候、診断についての総論講義に始まり、各論では1型・2型糖尿病・その他の糖尿病・妊娠糖尿病のそれぞれの病態を詳説したうえで、食事療法、運動療法、薬物療法についての治療概論を展開する。また、急性代謝失調をはじめとする急性合併症、および細小血管症・大血管障害を中心とする慢性合併症についても講義する。
⑵ 代謝領域では脂質異常症、肥満症・メタボリック症候群、核酸代謝異常、糖原病などの糖尿病以外の代謝疾患に加えて、低血糖をきたす種々の病態、さらにビタミン欠乏症・過剰症についても講義する。
⑶ 下垂体では下垂体前葉系について、いろいろな原因による機能低下症と下垂体ホルモン産生腫瘍などによる機能亢進症について詳説し、後葉系については中枢性尿崩症とADH 不適切分泌症候群を中心に講義する。視床下部異常の概念も理解できるよう概説する。
⑷ 甲状腺においては、甲状腺中毒症と甲状腺機能低下症について、それぞれの病態を惹起する代表的疾患であるバセドウ病と橋本病を中心に講義し、甲状腺の炎症性疾患と腫瘍性疾患についても包括的に概説する。
⑸ 副甲状腺ではカルシウム、リンの調節機構の概説のあとにカルシウム、リン代謝異常を呈する疾患について、副甲状腺機能亢進症と副甲状腺機能低下症、ビタミンD 欠乏症および中毒症の講義のほか、骨粗鬆症、骨軟化症についても講義する。
⑹ 副腎では副腎皮質・髄質機能を理解したうえで、副腎皮質機能低下症、クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫について講義し、副腎腫瘍の外科的治療を学ぶ。
⑺ 内分泌腫瘍では多発性内分泌腺腫症、ホルモン産生腫瘍、ホルモン不応症について講義する。
講義要旨集には臨床内分泌代謝内科学を学ぶうえでの基礎知識に加えて、各対象疾患に関する重要な資料も掲載されており、これに沿って講義を進める。写真や図などの供覧はパワーポイントも使用し、別途スライドのハンドアウト配布も行う。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8/18(月)① | 内分泌代謝総論 | 内分泌代謝疾患総論 | 宮塚 健 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
2 | 8/20(水)④ | 糖尿病① | 糖尿病の病因、病態生理、分類、症候、診断 | 守屋 達美 | 非常勤教員 |
3 | 9/8(月)③ | 糖尿病② | 糖尿病慢性合併症(細小血管症、大血管症、その他) | 小田 慧 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
4 | 9/10(水)④ | 糖尿病③ | 糖尿病急性合併症(高血糖緊急症) | 鈴木 陽彦 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
5 | 9/19(金)① | 糖尿病④ | 糖尿病の治療(食事療法、運動療法、薬物療法) | 松原 まどか | 健康管理センター |
6 | 9/30(火)① | 代謝① | 核酸代謝異常、糖原病 | 林 哲範 | 看護学部 |
7 | 9/30(火)② | 代謝② | 臨床栄養学 | 林 哲範 | 看護学部 |
8 | 10/2(木)① | 副腎① | 原発性アルドステロン症の病態生理、診断、治療 | 正木 嗣人 | 臨床検査診断学 |
9 | 10/2(木)② | 甲状腺① | バセドウ病の病態・症候・治療、甲状腺中毒症 | 市川 雷師 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
10 | 10/23(木)① | 代謝③ | 低血糖症、ビタミン欠乏と過剰症 | 鎌田 裕二 | 非常勤教員 |
11 | 10/23(木)② | 副甲状腺① | カルシウム代謝制御と副甲状腺機能亢進症 | 鎌田 裕二 | 非常勤教員 |
12 | 10/27(月)② | 下垂体① | 下垂体後葉疾患、水代謝の調節と尿崩症、ADH 不適合分泌症候群 | 高野 幸路 | 非常勤教員 |
13 | 10/30(木)① | 甲状腺② | 急性化膿性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、甲状腺腫瘍 | 平井 法博 | 非常勤教員 |
14 | 11/7(金)④ | 副甲状腺② | 副甲状腺機能低下症、骨粗鬆症、骨軟化症 | 中嶋 真一 | 非常勤教員 |
15 | 11/11(火)② | 代謝④ | 脂質異常症 | 辻 諭 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
16 | 11/12(水)④ | 副腎② | 副腎皮質機能の調節とクッシング症候群、クッシング病、異所性ACTH 症候群 | 齋藤 淳 | 非常勤教員 |
17 | 11/14(金)③ | 下垂体② | 視床下部・下垂体機能と疾患(ACTH、PRL、ゴナドトロピン系) | 久保 晴丸 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
18 | 11/14(金)④ | 下垂体③ | 先端巨大症とGH 分泌不全症 | 久保 晴丸 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
19 | 11/17(月)② | 内分泌腫瘍① | 多発性内分泌腺腫症、消化管ホルモン産生腫瘍、異所性ホルモン産生腫瘍、ホルモン不応症 | 鈴木 陽彦 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
20 | 12/4(木)① | 副腎③ | 褐色細胞腫の病態生理、診断、治療 | 正木 嗣人 | 臨床検査診断学 |
21 | 12/10(水)③ | 副腎④ | 副腎腫瘍の外科的治療 | 藤田 哲夫 | 泌尿器科学 |
22 | 12/11(木)③ | 副腎⑤ | アジソン病と副腎性器症候群 | 市川 雷師 | 糖尿病・内分泌代謝内科学 |
23 | 12/11(木)④ | 甲状腺③ | 慢性甲状腺炎(橋本病)、甲状腺機能低下症 | 星山 綾子 | 総合診療医学 |
予習:講義要旨集を予習して、疾患の概念や基本的な病態を把握してから講義に臨む必要がある。その際に、対象疾患の病態については内分泌・代謝系の講義要旨集の関連項目を復習しておくことによって、学習効率を高めることができる。
復習:講義要旨集、各自のノート、配布資料などにより、講義にて理解できた部分を再確認し、理解が不十分であった部分については参考図書などを用いて、自学自習しておく。病態の理解には内分泌・代謝系で学習した、生理学、生化学、薬理学、病理学、解剖/ 発生学の知識が必要であることも多く、復習に際しては必ず内分泌・代謝系も参照できるようにしておくことが必要である。
【準備学習に必要な学習の時間:1コマあたり1 ~ 2時間】
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
参考書 | Williams Textbook of Endocrinology | Saunders/Elsevier | |
参考書 | The Pituitary | Academic Press | |
参考書 | Werner & Ingbar's TheTHYROID | Lippincott Williams & Wilkins | |
参考書 | Text of Diabetes | Wiley-Blackwell | |
参考書 | Joslin's Diabetes Mellitus | Lippincott Williams & Wilkins | |
参考書 | 内分泌代謝専門医ガイドブック | 診断と治療社 | |
参考書 | 糖尿病専門医研修ハンドブック | 診断と治療社 | |
参考書 | 一目でわかる内分泌学 第2版 | B. Greenstein | メディカルサイエンスインターナショナルMEDSi |
参考書 | 最新内分泌検査マニュアル | 東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科 | 日本医事新報社 |
1)内分泌「目で見る解剖と生理」(医学映像教育センター)
2)内分泌・代謝検査「目で見る新しい臨床検査」(医学映像教育センター)
各種ホルモンの過剰または不足がもたらす身体症状、血中ホルモン濃度に影響をあたえる因子や薬剤、ホルモン分泌刺激試験と抑制試験の原理と反応を把握したうえで、内分泌・代謝疾患の検査を概説できる。
各論で講義した内分泌・代謝疾患については、疾患概念、病因、病態、分類、治療を概説できる。
糖尿病に関しては上記に加えて急性・慢性合併症を概説できる。
定期試験(100%)によって評価する。
講義で扱った重要なポイントについて、講義要旨集を積極的に活用して理解を深めることが必要である。