Web Syllabus(講義概要)
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皮膚系診断・治療学(M301-OS18)
英文名Diagnostics and Therapeutics for Dermatology
科目概要3年後期[12コマ]、3群科目、必修、講義
科目責任者天羽 康之
担当者天羽 康之※, 白井 京美※, 安藝 良一※, 増澤 真実子※, 小原 宏哉※, 佐々木 梓※, 池村 澄枝※, 越後貫 慧※, 玉森 巴里※
教室M202(新校舎2階大講義室)

実務経験のある教員

天羽 康之ほか:
臨床経験を踏まえ、皮膚疾患の理解と同時に、他の分野の臨床医学、基礎医学の有機的統合をはかることを目的に説明する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯4. 知的探究と自律的学習: ◎7. 予防医学: ◯
2. コミュニケーション能力: ◯5. チーム医療: 8. 地域医療:
3. 医学的知識と技術: ◎6. 医療の質と安全: 9. 国際貢献:

授業の目的

 皮膚科学は本来皮膚病変の肉眼的初見にもとづいて発達した臨床医学の一分科であるが、近年の生化学・免疫学の進歩に従い、病態生理のより深い理解が要求されている。皮膚はその構造・機能からみても特異な臓器で、身体内外からの影響を受けて鋭敏に反応し、様々の病変を呈する。従って皮膚疾患と全身の関係は密接で、それには皮膚病変の全身への波及、全身疾患の部分症状としての皮膚病変、他の内臓病変の結果生じた皮膚病変があり、まさに「皮膚は全身状態をあらわす窓」である。皮膚科講義は皮膚疾患の理解と同時に、他の分野の臨床医学、基礎医学の有機的統合をはかることを目的とする。

教育内容

第3 学年における講義は実習に直接発展しうるものとする。具体的には ⑴感染症 ⑵湿疹・アレルギー ⑶薬疹 ⑷角化症 ⑸紅斑 ⑹膠原病 ⑺血管炎 ⑻水疱症 ⑼皮膚腫瘍 ⑽付属器疾患 ⑾色素異常 ⑿全身と皮膚 など教科書の項目に従い総論を中心とした講義を行なう予定である。中でも病態生理を中心とした疾患成立のメカニズムの理解を計る。教育目標にも述べた通り“ 全身の窓” としての皮膚はそれ単独では存在し得ないわけで、内科学を中心とした他の臨床各科の基礎知識を応用することによって、皮膚科学の理解を深めるとともに、皮膚科臨床実習を行うに足る基本的知識・能力を身につけることをminimum requirement とする。

教育方法

各項目の要点を解説し、皮膚疾患の病態生理が理解できるよう講義形式で行う。必要に応じて補足のための資料を配付する。
フィードバック方法:授業中に設問を提示し、授業中に解説します。

授業内容

日時講義テーマ講義内容担当者所属
18/21(木)④皮膚の構造皮膚の構造や発疹の表現について安藝 良一
皮膚科学
29/4(木)①皮膚感染症細菌性、ウイルス性、抗酸菌性などの感染症疾患の症状、病因、治療について越後貫 慧
皮膚科学
39/5(金)②中毒疹・薬疹、物理化学障害薬疹の臨床病型分類、原因薬剤、薬剤同定検査、治療について
熱傷や褥瘡の発生機序や治療などについて
小原 宏哉
皮膚科学
49/25(木)②紅斑症・紅皮症紅斑が生じる疾患について
紅皮症を来たす疾患について
佐々木 梓
皮膚科学
510/1(水)②湿疹皮膚炎群、痒疹・皮膚瘙痒症、蕁麻疹湿疹の定義、湿疹が生じる疾患について
痒疹の分類、皮膚瘙痒症の病因について
蕁麻疹の定義、症状について
白井 京美
皮膚科学
610/3(金)③付属器疾患、肉芽腫付属器疾患や肉芽腫を形成する疾患について池村 澄枝
皮膚科学
710/16(木)①紫斑病・循環障害、血管炎紫斑病・循環障害・血管炎の症状、病理組織所見、治療について増澤 真実子
皮膚科学
810/29(水)③皮膚形成異常症、母斑・母斑症、皮膚腫瘍皮膚腫瘍の症状・病理組織所見・ダーモスコピーについて
皮膚形成異常を来たす疾患・母斑症について
天羽 康之
皮膚科学
911/14(金)①水疱症・膿疱症自己免疫性水疱症、先天性水疱症、膿疱症の各疾患における病因、症状、治療について玉森 巴里
皮膚科学
1011/14(金)②角化症・炎症性角化症乾癬の病因、症状、病理組織所見、治療について
その他の炎症性角化症と角化症の症状について
安藝 良一
皮膚科学
1112/2(火)①脈管系皮膚腫瘍、代謝異常症、色素異常症良性脈管系腫瘍の疾患別の特徴と血管肉腫の症状・治療について
代謝異常によって生じる皮膚疾患の特徴について
色素異常をきたす疾患について
増澤 真実子
皮膚科学
1212/2(火)②膠原病およびその類症膠原病疾患の皮膚症状について白井 京美
皮膚科学
No. 1
日時
8/21(木)④
講義テーマ
皮膚の構造
講義内容
皮膚の構造や発疹の表現について
担当者
安藝 良一
所属
皮膚科学
No. 2
日時
9/4(木)①
講義テーマ
皮膚感染症
講義内容
細菌性、ウイルス性、抗酸菌性などの感染症疾患の症状、病因、治療について
担当者
越後貫 慧
所属
皮膚科学
No. 3
日時
9/5(金)②
講義テーマ
中毒疹・薬疹、物理化学障害
講義内容
薬疹の臨床病型分類、原因薬剤、薬剤同定検査、治療について
熱傷や褥瘡の発生機序や治療などについて
担当者
小原 宏哉
所属
皮膚科学
No. 4
日時
9/25(木)②
講義テーマ
紅斑症・紅皮症
講義内容
紅斑が生じる疾患について
紅皮症を来たす疾患について
担当者
佐々木 梓
所属
皮膚科学
No. 5
日時
10/1(水)②
講義テーマ
湿疹皮膚炎群、痒疹・皮膚瘙痒症、蕁麻疹
講義内容
湿疹の定義、湿疹が生じる疾患について
痒疹の分類、皮膚瘙痒症の病因について
蕁麻疹の定義、症状について
担当者
白井 京美
所属
皮膚科学
No. 6
日時
10/3(金)③
講義テーマ
付属器疾患、肉芽腫
講義内容
付属器疾患や肉芽腫を形成する疾患について
担当者
池村 澄枝
所属
皮膚科学
No. 7
日時
10/16(木)①
講義テーマ
紫斑病・循環障害、血管炎
講義内容
紫斑病・循環障害・血管炎の症状、病理組織所見、治療について
担当者
増澤 真実子
所属
皮膚科学
No. 8
日時
10/29(水)③
講義テーマ
皮膚形成異常症、母斑・母斑症、皮膚腫瘍
講義内容
皮膚腫瘍の症状・病理組織所見・ダーモスコピーについて
皮膚形成異常を来たす疾患・母斑症について
担当者
天羽 康之
所属
皮膚科学
No. 9
日時
11/14(金)①
講義テーマ
水疱症・膿疱症
講義内容
自己免疫性水疱症、先天性水疱症、膿疱症の各疾患における病因、症状、治療について
担当者
玉森 巴里
所属
皮膚科学
No. 10
日時
11/14(金)②
講義テーマ
角化症・炎症性角化症
講義内容
乾癬の病因、症状、病理組織所見、治療について
その他の炎症性角化症と角化症の症状について
担当者
安藝 良一
所属
皮膚科学
No. 11
日時
12/2(火)①
講義テーマ
脈管系皮膚腫瘍、代謝異常症、色素異常症
講義内容
良性脈管系腫瘍の疾患別の特徴と血管肉腫の症状・治療について
代謝異常によって生じる皮膚疾患の特徴について
色素異常をきたす疾患について
担当者
増澤 真実子
所属
皮膚科学
No. 12
日時
12/2(火)②
講義テーマ
膠原病およびその類症
講義内容
膠原病疾患の皮膚症状について
担当者
白井 京美
所属
皮膚科学

準備学習(予習・復習)

予習:事前に配布する皮膚科学の学生用参考資料の該当項目を一読しておくこと。これまでに学習した他の臨床各科の基礎知識を再確認しておくこと。
復習:授業範囲において参考図書を一読しておくこと。
必要時間は約1時間。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書講義要旨集北里大学医学部
参考書学生参考図書
参考書あたらしい皮膚科学清水宏中山書店
参考書皮膚病アトラス
…発疹のみかた、疾患の理解のための皮膚科図譜
西山茂夫文光堂
参考書皮膚科学上野賢一金芳堂
参考書標準皮膚科学池田重雄 監修医学書院
参考書その他の参考図書
参考書Textbook of Dermatology
…英文皮膚科学教科書
Rook A.Blackwell
参考書Histopathology of the Skin
…英文皮膚病理学教科書
Lever. W. F.J. B. Lippincott
参考書皮膚科サブノート西山茂夫南江堂
参考書最新皮膚科学大系玉置邦彦 他中山書店
参考書皮膚科診断治療大系福代良一 他講談社
参考書実践皮膚病変のみかた勝岡憲生 他日本医師会雑誌第134 巻・特別号⑵
教科書
署名
講義要旨集
著者・編者
北里大学医学部
発行所
参考書
署名
学生参考図書
著者・編者
発行所
参考書
署名
あたらしい皮膚科学
著者・編者
清水宏
発行所
中山書店
参考書
署名
皮膚病アトラス
…発疹のみかた、疾患の理解のための皮膚科図譜
著者・編者
西山茂夫
発行所
文光堂
参考書
署名
皮膚科学
著者・編者
上野賢一
発行所
金芳堂
参考書
署名
標準皮膚科学
著者・編者
池田重雄 監修
発行所
医学書院
参考書
署名
その他の参考図書
著者・編者
発行所
参考書
署名
Textbook of Dermatology
…英文皮膚科学教科書
著者・編者
Rook A.
発行所
Blackwell
参考書
署名
Histopathology of the Skin
…英文皮膚病理学教科書
著者・編者
Lever. W. F.
発行所
J. B. Lippincott
参考書
署名
皮膚科サブノート
著者・編者
西山茂夫
発行所
南江堂
参考書
署名
最新皮膚科学大系
著者・編者
玉置邦彦 他
発行所
中山書店
参考書
署名
皮膚科診断治療大系
著者・編者
福代良一 他
発行所
講談社
参考書
署名
実践皮膚病変のみかた
著者・編者
勝岡憲生 他
発行所
日本医師会雑誌第134 巻・特別号⑵

到達目標

1.皮膚疾患の理解に必要な解剖を説明できる
2.皮膚疾患の理解に必要な生理機能を説明できる
3.皮膚の構造とその疾患を説明できる
4.皮膚の構造とその疾患に対する治療を説明できる
5.皮膚の奇形と機能障害について説明できる
6.皮膚障害の機序と病態を説明できる
7.皮膚疾患(皮膚腫瘍、発疹形態、浮腫を含む)の基本的病態を説明できる
8.皮膚疾患の病態と治療法と予防法に基づいた診療に結び付けることができる

評価基準

筆記試験(100%)による。