英文名 | Diagnostics and Therapeutics for Dermatology | |
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科目概要 | 3年後期[12コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 天羽 康之 | |
担当者 | 天羽 康之※, 白井 京美※, 安藝 良一※, 増澤 真実子※, 小原 宏哉※, 佐々木 梓※, 池村 澄枝※, 越後貫 慧※, 玉森 巴里※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
天羽 康之ほか:
臨床経験を踏まえ、皮膚疾患の理解と同時に、他の分野の臨床医学、基礎医学の有機的統合をはかることを目的に説明する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◯ |
2. コミュニケーション能力: ◯ | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
皮膚科学は本来皮膚病変の肉眼的初見にもとづいて発達した臨床医学の一分科であるが、近年の生化学・免疫学の進歩に従い、病態生理のより深い理解が要求されている。皮膚はその構造・機能からみても特異な臓器で、身体内外からの影響を受けて鋭敏に反応し、様々の病変を呈する。従って皮膚疾患と全身の関係は密接で、それには皮膚病変の全身への波及、全身疾患の部分症状としての皮膚病変、他の内臓病変の結果生じた皮膚病変があり、まさに「皮膚は全身状態をあらわす窓」である。皮膚科講義は皮膚疾患の理解と同時に、他の分野の臨床医学、基礎医学の有機的統合をはかることを目的とする。
第3 学年における講義は実習に直接発展しうるものとする。具体的には ⑴感染症 ⑵湿疹・アレルギー ⑶薬疹 ⑷角化症 ⑸紅斑 ⑹膠原病 ⑺血管炎 ⑻水疱症 ⑼皮膚腫瘍 ⑽付属器疾患 ⑾色素異常 ⑿全身と皮膚 など教科書の項目に従い総論を中心とした講義を行なう予定である。中でも病態生理を中心とした疾患成立のメカニズムの理解を計る。教育目標にも述べた通り“ 全身の窓” としての皮膚はそれ単独では存在し得ないわけで、内科学を中心とした他の臨床各科の基礎知識を応用することによって、皮膚科学の理解を深めるとともに、皮膚科臨床実習を行うに足る基本的知識・能力を身につけることをminimum requirement とする。
各項目の要点を解説し、皮膚疾患の病態生理が理解できるよう講義形式で行う。必要に応じて補足のための資料を配付する。
フィードバック方法:授業中に設問を提示し、授業中に解説します。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 8/21(木)④ | 皮膚の構造 | 皮膚の構造や発疹の表現について | 安藝 良一 | 皮膚科学 |
2 | 9/4(木)① | 皮膚感染症 | 細菌性、ウイルス性、抗酸菌性などの感染症疾患の症状、病因、治療について | 越後貫 慧 | 皮膚科学 |
3 | 9/5(金)② | 中毒疹・薬疹、物理化学障害 | 薬疹の臨床病型分類、原因薬剤、薬剤同定検査、治療について 熱傷や褥瘡の発生機序や治療などについて | 小原 宏哉 | 皮膚科学 |
4 | 9/25(木)② | 紅斑症・紅皮症 | 紅斑が生じる疾患について 紅皮症を来たす疾患について | 佐々木 梓 | 皮膚科学 |
5 | 10/1(水)② | 湿疹皮膚炎群、痒疹・皮膚瘙痒症、蕁麻疹 | 湿疹の定義、湿疹が生じる疾患について 痒疹の分類、皮膚瘙痒症の病因について 蕁麻疹の定義、症状について | 白井 京美 | 皮膚科学 |
6 | 10/3(金)③ | 付属器疾患、肉芽腫 | 付属器疾患や肉芽腫を形成する疾患について | 池村 澄枝 | 皮膚科学 |
7 | 10/16(木)① | 紫斑病・循環障害、血管炎 | 紫斑病・循環障害・血管炎の症状、病理組織所見、治療について | 増澤 真実子 | 皮膚科学 |
8 | 10/29(水)③ | 皮膚形成異常症、母斑・母斑症、皮膚腫瘍 | 皮膚腫瘍の症状・病理組織所見・ダーモスコピーについて 皮膚形成異常を来たす疾患・母斑症について | 天羽 康之 | 皮膚科学 |
9 | 11/14(金)① | 水疱症・膿疱症 | 自己免疫性水疱症、先天性水疱症、膿疱症の各疾患における病因、症状、治療について | 玉森 巴里 | 皮膚科学 |
10 | 11/14(金)② | 角化症・炎症性角化症 | 乾癬の病因、症状、病理組織所見、治療について その他の炎症性角化症と角化症の症状について | 安藝 良一 | 皮膚科学 |
11 | 12/2(火)① | 脈管系皮膚腫瘍、代謝異常症、色素異常症 | 良性脈管系腫瘍の疾患別の特徴と血管肉腫の症状・治療について 代謝異常によって生じる皮膚疾患の特徴について 色素異常をきたす疾患について | 増澤 真実子 | 皮膚科学 |
12 | 12/2(火)② | 膠原病およびその類症 | 膠原病疾患の皮膚症状について | 白井 京美 | 皮膚科学 |
予習:事前に配布する皮膚科学の学生用参考資料の該当項目を一読しておくこと。これまでに学習した他の臨床各科の基礎知識を再確認しておくこと。
復習:授業範囲において参考図書を一読しておくこと。
必要時間は約1時間。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義要旨集 | 北里大学医学部 | |
参考書 | 学生参考図書 | ||
参考書 | あたらしい皮膚科学 | 清水宏 | 中山書店 |
参考書 | 皮膚病アトラス …発疹のみかた、疾患の理解のための皮膚科図譜 | 西山茂夫 | 文光堂 |
参考書 | 皮膚科学 | 上野賢一 | 金芳堂 |
参考書 | 標準皮膚科学 | 池田重雄 監修 | 医学書院 |
参考書 | その他の参考図書 | ||
参考書 | Textbook of Dermatology …英文皮膚科学教科書 | Rook A. | Blackwell |
参考書 | Histopathology of the Skin …英文皮膚病理学教科書 | Lever. W. F. | J. B. Lippincott |
参考書 | 皮膚科サブノート | 西山茂夫 | 南江堂 |
参考書 | 最新皮膚科学大系 | 玉置邦彦 他 | 中山書店 |
参考書 | 皮膚科診断治療大系 | 福代良一 他 | 講談社 |
参考書 | 実践皮膚病変のみかた | 勝岡憲生 他 | 日本医師会雑誌第134 巻・特別号⑵ |
1.皮膚疾患の理解に必要な解剖を説明できる
2.皮膚疾患の理解に必要な生理機能を説明できる
3.皮膚の構造とその疾患を説明できる
4.皮膚の構造とその疾患に対する治療を説明できる
5.皮膚の奇形と機能障害について説明できる
6.皮膚障害の機序と病態を説明できる
7.皮膚疾患(皮膚腫瘍、発疹形態、浮腫を含む)の基本的病態を説明できる
8.皮膚疾患の病態と治療法と予防法に基づいた診療に結び付けることができる
筆記試験(100%)による。