英文名 | Radiation Health Risk Sciences | |
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科目概要 | 3年前期[8コマ]、2群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 学部長(代行) | |
担当者 | 石山 博條※, 服部 潤※, 中野 正寛※, 五味 勉※, 水上 慎也※, 稲田 龍司※ | |
教室 | M202(新校舎2階大講義室) |
石山 博條・服部 潤・中野 正寛・五味 勉・水上 慎也・稲田 龍司:
臨床医としての経験および病院の放射線管理者としての経験をもとに、放射線安全、画像診断、放射線治療、被ばく医療の診療現場に即した講義を行っている。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯ | 4. 知的探究と自律的学習: | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: |
放射線は医学・医療で広く利用されている。臨床医療においては放射線を用いて様々な検査や治療が行われており、放射線診療は技術の進歩とともに役割を増し続けている。放射線は診療に多大な貢献をする一方で、患者に放射線障害を起こす危険をはらむ両刃の剣である。すべての医師が放射線に関する広い知識をもち、放射線診療の有益性だけでなく危険性を考慮して活用する能力をもつことが求められる。
本科目は、放射線を医学・医療で適切に利用するための基盤を形成することを目的として、放射線について生体影響や放射線防護を踏まえて学習する。
放射線の基礎、放射線影響と放射線防護、画像検査、放射線治療、医療放射線の安全利用、放射線リスクコミュニケーション、被ばく医療について学習する。
放射線の基礎では、放射線の種類と性質、放射性核種の壊変と性質について学ぶ。
放射線影響と放射線防護では、放射線による生体影響の基礎、放射線防護、放射線管理について学ぶ。
画像検査では、エックス線撮影、エックス線造影検査、CT、MRI、核医学検査といった放射線画像診断検査の原理と特性を学び、放射線の臨床医療における使用法の基礎的理解を図るとともに、放射線を使用しない画像検査であるMRI の基礎も学習する。
医療放射線の安全利用では、医療における放射線防護の基本理念、医療従事者の放射線防護と安全管理、患者の医療被ばく低減の考え方について学ぶ。
放射線治療では、放射線治療の生物学的原理、効果と有害事象について学習する。
放射線リスクコミュニケーションでは利益と不利益を踏まえた放射線検査に関わる患者との対話に必要な基礎知識と留意事項を学ぶ。
被ばく医療では原子力災害における被ばく医療の要点を学習する。
資料を事前に配布し、これに沿って講義を進める。
配布された資料は通読し、講義の際に忘れずに持参すること。
講義において事前配布資料の内容に関する質問を行って解説し、理解を確認する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 4/17(木)⑤ | 放射線の基礎 | 放射線の種類と性質、放射性核種の壊変と性質 | 中野 正寛 | 放射線科学「放射線腫瘍学」 |
2 | 4/24(木)⑤ | 放射線影響と放射線防護 | 放射線による生体影響の基礎、放射線防護、放射線管理 | 中野 正寛 | 放射線科学「放射線腫瘍学」 |
3 | 5/8(木)① | 放射線治療 | 放射線治療の基礎 | 石山 博條 | 放射線科学「放射線腫瘍学」 |
4 | 5/8(木)② | 被ばく医療 | 原子力災害における被ばく医療 | 服部 潤 | 救命救急医学 |
5 | 5/9(金)③ | 画像検査Ⅰ | X 線撮影、造影検査、CT の基礎 | 五味 勉 | 医療衛生学部 |
6 | 5/9(金)④ | 画像検査Ⅱ | MRI および核医学の基礎 | 水上 慎也 | 医療衛生学部 |
7 | 5/15(木)① | 医療放射線の安全利用 | 医療従事者および患者の放射線安全 | 稲田 龍司 | 北里大学病院放射線部 |
8 | 5/15(木)② | 放射線リスク・コミュニケーション | 放射線検査についての被ばくを踏まえた患者との対話 | 石山 博條 | 放射線科学「放射線腫瘍学」 |
予習)資料を事前に配布するので、講義前に目を通しておくこと。
復習)講義資料・ノートを当日中に復習する。
必要に応じて参考図書を活用する。
1コマ当たりの準備学習時間は予習と復習を合わせて2時間を目安とする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 資料を事前に配布する。 | ||
参考書 | 放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料 https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo.html | 環境省 | |
参考書 | 標準放射線医学 第7版 | 医学書院 | |
参考書 | 放射線物理学 | 遠藤真広、西臺武弘 | オーム社 |
⑴ 放射線の種類と性質、放射性核種の壊変と性質を説明できる。
⑵ 放射線による生体影響の機序と性質を説明できる。
⑶ 放射線防護の基本理念について説明できる。
⑷ 放射線管理の法規制を説明できる
⑸ 画像診断検査の原理と臨床応用の基礎を概説できる。
⑹ 医療従事者の放射線防護と安全管理について説明できる。
⑺ 患者の医療被ばくの考え方と被ばくを踏まえた放射線検査の適正利用を説明できる。
⑻ 放射線治療の生物学的原理、効果と有害事象を説明できる。
⑼ 放射線検査に関わるリスクコミュニケーションついて説明できる。
⑽ 被ばく医療の特徴および概要を説明できる。
筆記試験(100%)による。なお、欠席は減点対象とする。