英文名 | Preventive Medicine | |
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科目概要 | 4年前期[32コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 堤 明純, 堀口 兵剛 | |
担当者 | 堀口 兵剛※, 吉岡 弘毅※, 岡田 充史※, 武藤 剛※, 大森 由紀※, 橋本 晴男※, 星 佳芳※, 宮島 江里子※, 堤 明純※, 引地 博之, 渡邉 和広※, 松崎 慶一※, 太田 寛※, 川島 正敏※, 渋谷 明隆※, 桐生 迪介※, 和田 耕治※, 原田 久※, 井上 和男※, 福島 昭治※, 木村 真三※, 村上 歩※, 可知 悠子※, 弘田 量二※, 横浜市医療局員 | |
教室 | M102(新校舎1階大講義室) |
堤 明純・堀口 兵剛ほか:
地域医療および臨床心理の臨床経験、産業医実務経験、地域における環境問題の疫学調査、大学病院における医療管理経験を踏まえ、地域医療、産業保健、地域及び国の保健行政の意義・仕組み、社会保険、環境保健を含む予防医学全般について教授する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯ | 4. 知的探究と自律的学習: ◯ | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: ◯ | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: ◎ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◯ | 9. 国際貢献: ◯ |
予防医学系では、学生に、社会と健康・疾病との関係、個体及び集団をとりまく環境諸要因の変化による個人の健康への影響について理解させ、それをもって、個人の行動及び社会や環境への働きかけによって、健康を保持増進させる方策を概説できるようにすることを教育目標とする。そのために、物理・化学的要因による疾患、中毒と環境要因によって生じる疾患の病態生理、保健、医療、福祉と介護の制度、保健統計の意義と現状、疫学とその応用、根拠に基づく医療(EBM)、国内外で発生した主な公害・環境汚染の歴史と現状、産業保健の意義・制度・方法を学び、産業医の役割、地域医療のあり方と現状及び課題と地域医療に貢献するための資質、生活習慣に関連した疾病の種類、病態と予防、国際的な健康問題への取組についての講義と実習を行う。
⑴講義および ⑵実習を通して、予防医学全般について学ぶことができるようにする。
⑴ 講義では、予防医学を多方面からとらえることができるよう構成している。
方法論:予防医学・健康増進、疫学、保健衛生統計、毒性学
制度・法体系:保健医療福祉制度、医療経済、医療体系(僻地、救急医療)
集団別アプローチ:地域保健、産業保健、学校保健、国際保健
属性別アプローチ:母子保健、成人保健、高齢者保健
課題別アプローチ:環境保健、食品衛生、精神保健、栄養、社会福祉、感染症、健康
危機管理(災害)
⑵ 実習
3 グループに分かれ①環境評価として環境測定器具の使用法(化学的・物理的要因の測定)を、②工場見学により産業保健の実際を、③環境・衛生施設見学(浄水場の見学)として環境保健の実際について学ぶ。
講義は、多人数講義形式で、予防医学系講義要旨集をベースに、追加資料、パワーポイントなどを使用して行う。
実習は、全体が3 グループに分かれて行うが、①環境測定・評価、②工場見学、③環境・衛生施設見学の実習一項目につき2コマをあてて行う。
講義中に課題を出した場合には、講義終了時に解説を行う、もしくは、次回の講義で解答等を紹介し、検討する時間を設ける。
試験の答案や実習のレポートで優秀なものは掲示板などで顕彰する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 4/4(金)③ | 予防医学概論 | 衛生学と公衆衛生学の特徴を述べ、予防医学の考え方について解説する | 堤 明純 | 公衆衛生学 |
2 | 4/4(金)④ | 衛生学・環境保健概論 | 衛生学・環境保健の考え方、毒性学などについて概説する | 堀口 兵剛 | 衛生学 |
3 | 4/7(月)① | 疫学総論1 | 疫学の定義と目的、代表的な指標について解説する | 松崎 慶一 | 公衆衛生学 |
4 | 4/7(月)② | 疫学総論2 EBM | 疫学研究の方法論について解説する。疫学研究成果(エビデンス)の応用について解説する | 松崎 慶一 | 公衆衛生学 |
5 | 4/8(火)③ | 福島第一原発事故とチェルノブイリ | 原発事故の社会的影響の側面から医学の関わりを考える | 木村 真三 | 非常勤教員 |
6 | 4/10(木)① | 保健統計 | 重要な健康指標となる人口動態統計・人口静態統計について解説する | 松崎 慶一 | 公衆衛生学 |
7 | 4/10(木)② | 環境保健Ⅰ | 我が国の環境汚染と対策について解説する | 堀口 兵剛 | 衛生学 |
8 | 4/11(金)③ | 母子保健Ⅰ | 母子保健指標、先天異常を含む周産期の健康障害について解説する | 太田 寛 | 非常勤教員 |
9 | 4/15(火)③ | 喫煙対策はなぜ公衆衛生上の重要課題の一つなのか | 喫煙の害について解説し、禁煙指導の実際について紹介する | 原田 久 | 非常勤教員 |
10 | 4/17(木)③ | 地域医療 | 地域医療の実際と、地域における研究について紹介する | 井上 和男 | 非常勤教員 |
11 | 4/17(木)④ | 社会・環境と健康 | 健康の社会的決定要因について解説する | 引地 博之 | 公衆衛生学 |
12 | 4/18(金)③ | 母子保健Ⅱ、学校保健 | 日本の母子保健分野ならびに学校保健分野の制度と施策について解説する | 可知 悠子 | 非常勤教員 |
13 | 4/22(火)③ | 産業保健Ⅰ | 産業保健の歴史、意義、法規及び金属による健康障害などについて概説する | 堀口 兵剛 | 衛生学 |
14 | 4/22(火)④ | 患者の人権と医師の義務 【特別講義】 | 医師法の趣旨に触れながら、医師が理解しておくべき倫理的内容について解説する | 桐生 迪介 | 客員教授 |
15 | 4/23(水)③ | 産業保健Ⅱ | 産業医の職務、5管理、両立支援、健康経営、医療者の安全衛生及び化学的因子による健康障害について解説する | 武藤 剛 | 衛生学 |
16 | 4/23(水)④ | 環境保健Ⅲ | 社会的環境(上下水道や廃棄物、室内環境等)、SDGs・栄養や睡眠、健康的な環境デザインについて解説する | 武藤 剛 | 衛生学 |
17 | 4/24(木)③ | 産業保健Ⅲ/環境保健Ⅱ/実習説明 | 金属による健康障害及び近年の環境問題・地球環境問題等について解説する / 実習内容について説明する | 堀口 兵剛 | 衛生学 |
18 | 4/24(木)④ | 環境汚染とがん | 環境中に存在する化学物質の発がん性に関する評価と管理について解説する | 福島 昭治 | 客員教授 |
19 | 5/21(水)③ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
20 | 5/21(水)④ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
21 | 5/23(金)③ | 成人保健と高齢者保健 | NCD (Non Communicable Diseases)とその対策、ヘルスプロモーション方策について解説する。また、高齢者保健の現状と問題点、取られている対策について解説する | 堤 明純 | 公衆衛生学 |
22 | 5/23(金)④ | 衛生行政(地方) 【特別講義】 | 保健所の機能を含む地域医療行政について解説する | 横浜市医療局員 | 横浜市医療局 |
23 | 5/30(金)③ | 産業保健Ⅳ | 物理的因子による健康障害、作業態様による健康障害について解説する | 大森 由紀 | 衛生学 |
24 | 5/30(金)④ | 精神保健 / 自殺対策 | 我が国の精神保健、および自殺の現状と課題について解説する。また、地域や職場で取られている対策について解説する | 渡邉 和広 | 公衆衛生学 |
25 | 6/3(火)③ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
26 | 6/3(火)④ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
27 | 6/9(月)③ | 国際保健 | 国際的な健康問題を解決するための協力体制やその実際について解説する | 和田 耕治 | 非常勤教員 |
28 | 6/9(月)④ | 感染症・健康危機管理 | COVID-19の動向を例に、感染症対策、危機管理について解説する | 和田 耕治 | 非常勤教員 |
29 | 6/10(火)③ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
30 | 6/10(火)④ | 実習 【M23実習室 他】 | グループに分かれて ①環境測定・評価 ②工場見学 ③環境・衛生施設見学を行う | 堤 明純 堀口 兵剛 吉岡 弘毅 引地 博之 渡邉 和広 松崎 慶一 武藤 剛 岡田 充史 大森 由紀 川島 正敏 星 佳芳 宮島 江里子 弘田 量二 | 公衆衛生学 衛生学 非常勤教員 |
31 | 6/11(水)③ | 医療提供体制と医療経済 | 国民医療費の現状と、健康保険の仕組みについて解説する | 渋谷 明隆 | 非常勤教員 |
32 | 6/11(水)④ | 環境保健Ⅳ | 四大公害病について解説する | 堀口 兵剛 | 衛生学 |
予習:配布する予防医学系講義要旨集、予防医学実習書に事前に目を通し予習すること(1 コマ当たり1 時間程度)。
復習:各自で学習ノートを作成する(1 コマ当たり1 時間程度)。とくに実習では学習記録をレポートに反映させるようにする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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参考書 | はじめて学ぶやさしい疫学(改訂第4版) 標準テキスト | 日本疫学会(監修) | 南江堂 |
参考書 | 国民衛生の動向2024/2025 | ㈶厚生労働統計協会 | |
参考書 | シンプル衛生 公衆衛生2025 | 南江堂 | |
参考書 | 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 | 環境省 | |
参考書 | 産業保健マニュアル(改訂8版) | 南山堂 | |
参考書 | ※参考図書は衛生学・公衆衛生学教室に常備してあり、適宜閲覧可能です。 |
1.予防医学、衛生学、公衆衛生学の概念、考え方、実践方法を説明できる。
2.疫学の定義、目的、方法とその応用(EBM)を説明できる。
3.保健統計の指標及びその動向を説明できる。
4.わが国における生活習慣病対策とヘルスプロモーション方策について説明できる。
5.わが国における母子保健、学校保健、精神保健(自殺対策を含む)、高齢者保健、障害者保健の体制、現状、問題点、対策について説明できる。
6.わが国における感染症・食中毒の現状及びそれらに関する健康危機管理について説明できる。
7.国と地方の衛生行政の概要と役割について説明できる。
8.地域医療のあり方及び実践方法について説明できる。
9.わが国の国民医療費の現状と、健康保険の仕組みについて説明できる。
10.医師法及び医療法に関連する医師の義務と患者の人権について説明できる。
11.毒性学の概念及びその方法について説明できる。
12.一般環境と健康との関連及び環境行政について説明できる。
13.公害と環境汚染の発生機序及び健康影響について説明できる。
14.わが国の産業保健体制と産業医の職務及び職場における有害因子の健康影響について説明できる。
15.国際的な健康問題の現状とその取り組みについて説明できる。
講義と実習の学習成果を試験により評価する(80%)。実習の学習成果はレポートでも評価する(10%)。
さらに講義と実習での受講態度などを評点化し(10%)、上記の評点と併せて総合的に評価を行う。
なお、実習への出席および実習レポートの提出は必須とし、欠席および未提出の場合には成績評価対象外となることがある。
講義・実習は「守礼敬人」教育の精神に基づいて行う。
レポート作成にあたっては剽窃行為(他人の作品や論文、ホームページの記載等を盗んで自分のものとして記述すること)は厳に慎むこと。
剽窃を含む不正行為は厳正な処分の対象となる。