Web Syllabus(講義概要)
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小児科実習(M304-CM15)
英文名Clinical rotation(Clinical Clerkship:Pediatrics)
科目概要4年[3週]、3群科目、必修、実習
科目責任者石倉 健司
担当者石倉 健司※, 土岐 平※, 中西 秀彦※, 平田 陽一郎※, 野々田 豊※, 伊藤 尚志※, 奥田 雄介※, 田村 佑平※, 川田 孝平※, 山口 綾乃※
教室

実務経験のある教員

石倉 健司: 北里大学医学部小児科学主任教授であり、小児腎臓分野の専門家である。小児科実習の科目責任者である。実務経験のある担当者が細やかに指導することにより、学生が安全に臨床診療に参加できるように指導する。
土岐  平: 北里大学医学部小児科学の助教であり、小児神経分野の専門家である。小児神経分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開するとともに、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。学生指導の評価の統括を行う。
中西 秀彦:北里大学医学部附属新世紀医療開発センター先端医療領域開発部門新生児集中治療室の教授であり、小児新生児分野の専門家である。小児新生児分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開するとともに、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
平田 陽一郎:北里大学医学部小児科学の准教授であり、小児循環器分野の専門家である。小児循環器分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開するとともに、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
野々田 豊:北里大学医学部小児科学の准教授であり、小児神経分野の専門家である。小児神経分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開するとともに、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
伊藤 尚志:北里大学医学部小児科学の診療准教授であり、小児感染症分野の専門家である。小児感染症分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開する。
奥田 雄介: 北里大学医学部小児科学の診療講師であり、小児腎臓分野の専門家である。小児腎臓分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開する。臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
田村 佑平:北里大学医学部小児科学の助教であり、小児集中治療分野の専門家である。小児集中治療分野に関する幅広い知見を有し、関連する授業を展開するとともに、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
川田 孝平:北里大学病院の小児科医であり、小児新生児分野を専門とする。小児新生児分野に関する幅広い知見を有し、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。
山口 綾乃:北里大学医学部小児科学の助教であり、小児新生児分野の専門家である。小児新生児分野に関する幅広い知見を有し、臨床の現場で治療・療育の実際などについて指導する。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯4. 知的探究と自律的学習: ◎7. 予防医学: ◯
2. コミュニケーション能力: ◎5. チーム医療: ◯8. 地域医療: ◯
3. 医学的知識と技術: ◎6. 医療の質と安全: ◯9. 国際貢献: ◯

授業の目的

⑴ 一般目標(General Instructive Objectives)
 小児科実習の目標は3年生までに受けた成長・発達系診断学までの講義内容を、実際の患者を前にして、効果的にその知識を活用して実践的に臨床経験をすることである。
 医学生として、小児科学についての知識、技能、態度をしっかりと身につけることが重要である。なお小児科実習は、クリニカルクラークシップにつながるよう、学生は研修医と伴に行動し、臨床現場を体感しつつ、ステューデントドクターとして受け持ち患者への診療に責任をもてるよう現場での実習を中心に展開する。
⑵ 行動目標(Specified behavioral Instuctives)
①知識: 国家試験に沿った小児科の主要な疾患について、外来、入院患者を通して経験する。入院患者については実習中、割り振られた患者をもち、研修医、病棟医と一緒に病棟主任の回診につき、また診断、検査、治療方針などについて病棟実習担当医とともに考えていく。外来実習では一般または専門外来について、指導を受ける。
②技能: 外来、病棟において小児に対する診断、治療の方法や実際を学ぶ。小児科特有の病歴の取り方、聴診、触診など、一般現症を把握する上での手技を身につける。
③検査: 外来・病棟における処置を見学し、実際に学生が可能な範囲の処置を指導医の指導下で行う。それら検査結果の解釈について学ぶ。検査時の介助を通して、患児の苦痛や不満を理解し、和らげる必要性を知る。X 線写真、超音波検査、CT、MRI 検査の所見について正常・異常の見きわめを学ぶ。また、心臓カテーテル検査や脳波検査などにおける小児の特殊性を理解する。
④態度: 患者とその家族に対する望ましい信頼関係をつくるための基本的な態度について学ぶ。特に致死的疾患、形態異常を含めた先天異常、障害を持った患者などに対する接し方、疾患の説明の仕方、問題解決のための支援の仕方などを主治医を通して学ぶ。
⑤小児科実習の概要と自己評価に基づき自己チェック。
⑥ OSCE:NICU病棟実習中に新生児の診察法を学び、実習の中で体得する。OSCE を行い評価する。
⑦感染症医療人材の養成:COVID-19 をはじめとした新興感染症対応を、シミュレーターを用いて学習する。

教育内容

ガイダンスに始まり、1)病棟実習(小児科病棟)、2)病棟実習(NICU病棟)、3)外来実習の3 つのスケジュールに大別される。3 週間を通して小児病棟、PICU、NICU ならびに小児在宅支援部門(あすぱら)で実習する。
⑴ 病棟実習:小児科実習の要である。様々な症例の診療に対して、積極的な参加が望まれる。
毎朝の病棟回診及び教授回診につく。病棟実習教育主任及び病棟医の指導を受ける。
各病棟において各自に患者が割り当てられるのでその受け持ち患者について、各自でバイタルサインの確認、診察を行い、また検査結果をみてその病状を把握し、アセスメント(評価)を考える。受け持ち患者に関わらず、病棟処置(採血や採尿、喀痰吸引や体位変換など)の介助や可能な限りの手技を担当医とともに行う。回診及び夕方のサインアウトでプレゼンテーションを行い、研修医や病棟医とディスカッションする。
⑵ 外来実習:一般外来について子どもの診察の仕方、病歴の取り方などの実習、指導を受ける。希望者は専門外来の見学も可能であり、臓器・器官別に専門的な実習を受ける。
外来においても、処置の介助や可能な限りの手技を担当医とともに行う。
⑶ 臨床講義:実際の実習の進め方や病棟の機能や詳細、さらには症例プレゼンテーションの準備や発表の実際について丁寧に説明する。
⑷ OSCE:NICU で新生児を対象に実施する。
 具体的な実習内容、講義時間、場所、担当医については事前に教務課よりスケジュール表並びに実習概要として配布する。実習開始前に各自で熟読しておくこと。
⑸ 課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法
次回の授業で、 課題の中の特徴的な見解や誤解についてコメントする。
もしくは、 課題回収後に添削し、教務課を通し返却する。
⑹ 感染症医療人材の養成:小児患者シミュレーター(SimBaby)を用いて、感染症が確定ないし疑われる患者に対する救命処置のシミュレーションを行う。
⑺ 国際的な視野の育成
小児医療、保健に関する海外の論文などの検索を促すことで、国際的な視野を持って小児医療に関わることができるような支援を行う。

準備学習(予習・復習)

3年次までの小児科に関係する基礎医学ならびに小児科学講義の復習
最低限習得しておく事項
1)発育:成長、二次性徴
2)発達:発達指標、原始反射
3)生理:栄養、水分、電解質
4)小児保健:健診、予防接種
5)新生児:診察法、呼吸、循環
6)よくみられる徴候:発熱、発疹、嘔吐、下痢、けいれん、意識障害、呼吸困難、心雑音、頭痛、腹痛など
予習・復習の時間について
  学生の習熟度によるが1日あたりおおよそ2-3時間前後必要である。

教材

種別書名発行所
教科書新しい教科書を1 冊用意することが好ましい。
教科書標準小児科学医学書院
教科書小児科学文光堂
教科書小児科学・新生児学テキスト診断と治療社
参考書Nelson's Textbook of Pediatrics
(日本語版もあり)
Saunders
参考書Principle and practice of PediatricsLippincott
参考書EBM 小児疾患の治療中外医学社
参考書小児科臨床ピクシス中山書房
教科書
署名
新しい教科書を1 冊用意することが好ましい。
著者・編者
発行所
教科書
署名
標準小児科学
著者・編者
発行所
医学書院
教科書
署名
小児科学
著者・編者
発行所
文光堂
教科書
署名
小児科学・新生児学テキスト
著者・編者
発行所
診断と治療社
参考書
署名
Nelson's Textbook of Pediatrics
(日本語版もあり)
著者・編者
発行所
Saunders
参考書
署名
Principle and practice of Pediatrics
著者・編者
発行所
Lippincott
参考書
署名
EBM 小児疾患の治療
著者・編者
発行所
中外医学社
参考書
署名
小児科臨床ピクシス
著者・編者
発行所
中山書房

到達目標

⑴ 小児の特性を知ることができる。対象になる患者は極小未熟児から思春期までの広い年齢を網羅し、その間の成長、発達段階に応じて症候の現れ方、治療方法も異なる。
⑵ 幅広い疾患を知ることができる。小児科学は腎臓疾患、新生児疾患、精神・神経・筋疾患、循環器疾患、免疫・ 膠原病疾患、アレルギー疾患、先天代謝異常疾患、血液・悪性腫瘍疾患、栄養・消化器疾患、先天異常・遺伝疾患、小児保健、感染症等の広い疾患群を網羅しており、年齢に応じた特徴を知ることができる。
⑶ 小児診療における手技の特殊性、困難度を学ぶとともに可能な範囲で実践し習得することができる。
⑷ チーム医療の大切さを知ることができる。医師の診療や治療のみならず、入院中の患児の生活を、家族全体を含めてサポートする看護師の立場や、入院中の患児の栄養評価を行う栄養士、長期臥床の児に対して理学療法を行う理学療法士など多種の医療者が1 人の患児をサポートする実態を知ることができる。
⑸ 遊びの大切さを知ることができる。児の年齢に応じたコミュニケーションの図り方を知ることができる。

評価基準

外来実習(予診)33.3%、病棟実習(カルテ記載)33.3%、OSCE33.3% においてそれぞれ評価し採点する。
評価の詳細は、臨床実習概要、並びに実習スケジュール表を参照すること。

その他注意事項

初回集合場所・時間
小児科外来カンファレンスルーム 7時50分 時間厳守

その他注意事項
・ 患者及び家族と接するので、身なりを整え、清潔に留意する。
・ 発熱、発疹等の感染症状や、下痢、嘔吐等の消化器症状を認めた場合には、実習開始前には教務課に、実習中は臨床実習担当者に届け出ること。
・ 心臓カテーテル検査など放射線管理区域に立ち入る実習を行うこともあるため、その際は放射線ガラスバッジを必ず着用すること。
・ 時間厳守を徹底すること。やむを得ない事情により遅れる場合、必ず小児科教育担当者に連絡すること。
・ 新型コロナウイルス感染症の流行状況に伴い、実習などを中止することもありうる。その時の状況に応じて、フレキシブルに対応する。
・ 病棟内や病院内で流行感染症などが発生した場合には、臨時でオンラインを使用した授業形態に適宜変更することがありうる。

使用予定のシミュレーター
小児患者シミュレーター(SimBaby)

シミュレーター使用予定頻度
週1回程度