英文名 | Clinical rotation(Clinical Clerkship:General Medicine) | |
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科目概要 | 5年[3週]、3群科目、必修、実習 | |
科目責任者 | 青山 直善 | |
担当者 | 青山 直善※, 東野 俊洋※, 五野 由佳理※, 星山 隆行※, 星山 綾子※, 岸原 淳※, 北里 梨紗※, 高 義樹※ | |
教室 |
青山 直善、 東野 俊洋、 五野 由佳理、星山 隆行、星山 綾子、岸原 淳、高 義樹、北里 梨紗:
病院総合診療医として、カルテの書き方、総合診療における患者のトリアージ、臨床推論の方法、プライマリ・ケア、患者中心の医療、全人的なアプローチ、臨床倫理、について実践できる教員である。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◯ |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: ◎ | 8. 地域医療: ◎ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: |
総合診療医学臨床実習では、(1)地域診療(地域包括ケアシステム)、(2)在宅診療、訪問診療、(3)大学病院(基幹病院)における総合診療、の3つを中心にカリキュラムを組んでいます。
⑴地域診療、地域包括ケアシステム
日本の人口動態、年齢構成、核家族化(個人中心の家族構成)、在宅死から病院死への変遷、疾病構造の変化、および高度先進医療の進歩を背景に、「治す医療」から「治し支える医療」への転換、「病院中心の医療」から介護・福祉と連携する「地域完結型医療」への転換、つまり医療体制のパラダイムシフトを迎えており、将来、医師として、地域の住民の人たちに寄り添う医療を実現していくことが求められています。このような地域診療、地域包括ケアシステムを円滑に稼働し、多職種と協働連携していくために、どのような知識が求められ、どのような行動(地域を把握、課題・改善点を模索、方策を検討、その方策を実施、評価、この行程を繰り返す)が必要であるかを修得していただきます。
⑵在宅診療、訪問診療
地域診療、地域包括ケアシステムのなかでも、在宅診療、訪問診療のニーズが増え、今後、中核的な診療になることが予想されます。今後の在宅診療、訪問診療の動向や現状、実際の方法を修得していただきます。
⑶大学病院(基幹病院)における総合診療
1)外来実習:内科総合外来(総合診療部、総合診療内科)では、どの専門科を受診したら良いのかわからない患者さん、多疾患有病患者で臓器が特定できない多彩な症状をもつ患者さん、かかりつけ医等で診断がつかない患者さん、あるいは健康診断で異常を指摘され精密検査や治療が必要な患者さんなど主に内科系の疾患について、診断、治療、あるいは専門科への紹介(振り分け)をおこなっています。これらの外来を見学し、指導医のもとで患者さんに医療面接や身体診察を行います。
また、総合診療部では、患者さんの心身を一体的・総合的に診療する漢方医療(漢方外来)を行っており、漢方専門医からのレクチャーを受けていただきます。
2)Post-CC-OSCE対策実習:全身倦怠感、発熱、食思(欲)不振、体重増加・減少、めまい、不安、抑うつ、もの忘れ、など主に全身的な症候について、医療面接から診断(鑑別診断)に至るまで、症例検討会の形式を中心に実際の症例を学習してもらいます。
3)大学病院(基幹病院)と地域診療の関係性の理解:高度先進医療を行う大学病院(基幹病院)で治療目標に達した患者さんのなかには、地域診療に移行していく患者さんがおり、大学病院(基幹病院)における診療でも、地域包括ケアシステムに配慮した診療が求められます。このような地域包括ケアシステムにおける高度急性期・急性期病院(大学病院や基幹病院に相当)の役割を修得してください。
⑴医療面接、診療録の作成、臨床推論、プロブレムリストの立案方法を中心に診断のプロセスを概説する。
⑵内科救急指針について概説する。
⑶地域包括ケアシステムの意義と必要性、高齢者医療、地域診療、在宅診療について概説する。
⑷症例検討会では、全身倦怠感、食欲不振、体重減少・増加、めまい、不安・抑うつ、もの忘れ、などの臨床徴候について診療アプローチ法を説明する。Post-CC-OSCEに対応した検討会を実施する。
⑸漢方医学について概説する。
⑹アドバンスケアプランニング(ACP)について概説する。
⑺ コミュニケーション、ユマニチュード、バリデーションについて概説する。
⑴外来実習で実際の患者さんに医療面接や身体診察を行い、臨床推論および診断のプロセスを経験する。その後患者さんを外に出し、指導医から直接、医療面接や身体診察についてのコメントをもらう形でフィードバックを受ける。
⑵学外実習にて、地域包括ケアシステムに関連する施設の見学(老健、特養、小規模多機能、グループホーム、介護医療院、訪問看護など)、地域診療、在宅医療を経験する。
⑶総合診療医学臨床実習ノートの課題を実施する。
⑷Post-CC-OSCEに対応するための症例検討会を実施する。この中では、考えるべき疾患や行うべき検査について学生に意見を求めて、それに対して教員がコメントをする形でフィードバックを行う。
予習: 内科学総論の講義内容、臨床実習入門の内容について復習しておく。e-campusのOSCE教材(医療面接、身体診察)を繰り返し学習すること。各内容について2時間の予習を要する。
復習:医療面接及びバイタルサインの実際、鑑別診断の考え方、診断推論(臨床推論)、在宅医療(訪問診療)・地域医療について確認しておく。各内容について2時間の復習を要する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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参考書 | 内科診断学 | 福井次矢、奈良信雄 | 医学書院 |
参考書 | 内科学 | 矢崎義雄 | 朝倉書店 |
参考書 | 内科学書 | 南学正臣 | 中山書店 |
参考書 | ハリソン内科学 | 黒川 清、福井次夫 | メデイカル・サイエンス・インターナショナル |
参考書 | ベイツ診察法 | 福井次矢、井部俊子 | メディカル・サイエンス・インターナショナル |
参考書 | スーパー総合医 地域包括ケアシステム | 太田秀樹 | 中山書店 |
参考書 | スーパー総合医 緩和医療・終末期ケア | 長尾和宏 | 中山書店 |
参考書 | 日本プライマリ・ケア連合学会基本研修ハンドブック(第3版) | 日本プライマリ・ケア連合学会編 | 南山堂 |
参考書 | 病院総合診療医学 | 林 純 | 大道学館出版部 |
⑴医療面接を実施することができる。
⑵初療における内科救急指針の重要性を述べることができる。
⑶臨床推論を念頭においた診療録を作成できる。
⑷全身症候(全身倦怠感、食思不振、体重減少、めまい、不安、抑うつ、もの忘れ、など)について的確な初療が実践できる。
⑸地域包括ケアシステムの必要性と役割を述べることができる。
⑹在宅診療・訪問診療における医師の役割および各職種の役割を理解し、チーム医療の重要性を述べることができる。
⑺総合診療医学における患者中心の医療の重要性を認識し、緩和医療、終末期ケアについて述べることができる。
⑻人生会議(ACP: Advance Care Planning)の必要性および内容・実施について述べることができる。
1)総合診療医学臨床実習ノート:45%
*各講義を拝聴して、各項目欄に各課題について記入すること。(ドキュメント、番組、紹介DVDなどの課題記入は加点の対象とします)
*各項目の課題および表の空欄を埋める。客観式問題の解答を実施する。
2)筆記試験:45%
3)実習態度:10%
以上の評価のもと、60点以上を合格とする。但し、アンプロフェッショナルな行動は、それを覆す可能性がある。
*初回集合場所・時間
新M号館2階M216講義室に、月曜日(初日)午前8時20分集合すること。オリエンテーションを実施する。
*学外学習
学外実習では訪問診療に同行するため、施設には遅刻することなく班員全員で向かうこと。
また、同行に相応しい服装、身だしなみ、行動をとるよう留意する。