英文名 | Clinical rotation(Laboratory Medicine) | |
---|---|---|
科目概要 | 5年[1週]、3群科目、必修、実習 | |
科目責任者 | 狩野 有作 | |
担当者 | 狩野 有作※, 大谷 慎一※, 中村 正樹※, 正木 嗣人※ | |
教室 |
狩野 有作ほか:
大学病院臨床検査部長・臨床検査専門医・臨床検査管理医としての臨床経験に基づき、臨床検査の臨床的意義、標準検査法、効率的な検査診断法、検査データの読み方などについて概説する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: ◎ | 8. 地域医療: ◯ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: ◯ |
医師として習得すべき基本的な臨床検査ついて、臨床的意義、基本的手技を習得する。
さらに、検査データの読み方・考え方、異常値の出るメカニズム、効率的な検査診断法などについて学ぶ。
内容の詳細は、実習書として配布する「臨床検査診断学実習」に記載されているが、ここでは概略について述べる。
Ⅰ.検体検査
⑴ 尿沈査
細胞成分、円柱などについてよく観察する。特に赤血球と白血球を同定できるようにする。
⑵ 糞便検査
便潜血反応:免疫学的方法の特徴を理解する。
⑶ 髄液・穿刺液検査
髄液検査:細胞数の算定手技を習得する。
穿刺液検査:滲出液と濾出液の鑑定をできるようにする。
⑷ 血液検査
形態学検査: 塗抹標本の作成、末梢血液像の観察により正常像と異常像の鑑別をできるようにする。
骨髄像: 正常細胞、造血器腫瘍細胞をスケッチし、鑑別できるようにする。
凝固・線溶系検査: 出血時間の手技を学ぶ。凝固検・線溶系検査の臨床的意義、効率的な利用法を習得する。
⑸ 免疫血清検査
免疫電気泳動パターンの判読、臨床的意義について習得する。
⑹ 輸血検査
ABO 式血液型(おもて試験、うら試験)、Rh(D)式血液型の判定を行えるようにする。
⑺ 細菌検査
細菌検査の手技(塗抹(グラム染色)、染色培養、細菌同定、薬剤感受性検査)のやり方を習得し、結果の読み方について学ぶ。感受性検査については、抗生物質の選択、使い方、副作用について理解する。
⑻ ウイルス・DNA 検査
主要なウイルス抗体検査法及びDNA 検査の種類、臨床的意義について学ぶ。
⑼ 生化学検査
糠質・脂質の検査、アイソザイムパターンの読み方などについて学ぶ。また、各自の血液を用いて免疫生化学検査を行い、そのデータの読み方について学ぶ。
⑽ 緊急検査
Panic values について学ぶ。
⑾ 採血実習(学生による医療面接形式の実習)
真空採血の手技を習得する。採血管及び抗凝固剤の種類、適正使用について学ぶ。
Ⅱ.生理機能検査
⑴ 心電図検査
12 誘導心電計を用いた心電図検査の手技、波形の判読ついて学ぶ。
⑵ 腹部・頸動脈超音波検査
肝臓・胆のう、膵臓、脾臓、腎臓などの腹腔内臓器、頚動脈、腹部大動脈、下大静脈などの脈管の超音波検査について基本的手技、超音波像の判読について学ぶ。なお、COVID-19 の重篤な合併症である血栓症の診断法について、超音波検査トレーニングシミュレーターを用いて学ぶ。
Ⅲ.R-CPC(reversed-CPC)
検査データの読み方・考え方について学ぶ。異常値から各種病態を考え、適切なデータの読み方、効率的な検査診断の進め方、適切な検査法の組み合わせ方などを学ぶ。病態診断へのアプローチに習熟する。
Ⅳ.各科OSCE
採血、あるいは出血時間の手技について評価し、フィードバックを行う。
学生へのフィードバックについては、検査手技の実施直後に行う。
受講前に学習しておくべき事項(受講後は要復習)。予習に2 時間、復習に3 時間が必要と考える。
⑴ 尿検査について
⑵ 糞便検査について
⑶ 血液検査について
⑷ 免疫血清検査について
⑸ 輸血検査について
⑹ 細菌検査について
⑺ ウイルス・DNA 検査について
⑻ 生化学検査について
⑼ 緊急検査について
⑽ 心電図検査について
⑾ 腹部・頸動脈超音波検査について
種別 | 書名 | 発行所 |
---|---|---|
教科書 | 標準臨床検査医学 第5版 | 医学書院 |
参考書 | 臨床検査ガイド | 文光堂 |
参考書 | 臨床検査データブック | 医学書院 |
超音波診断 WB VC 19
止血検査の進め方 WH SL 75
抗生物質の基礎知識 QV VC 323
輸血改革(M2号館2階医学図書館)
⑴ 医師にとって必要な基本的臨床検査が実施できる。
⑵ 基本的臨床検査の方法及び臨床的意義を理解し、適切で効率的な臨床検査の利用ができる。
⑶ 検査データを適切に解釈できる。
実習態度・OSCE(10%)、レポート(10%)、試験(客観問題)(80%)による総合評価とする。
初回集合場所・時間
大学病院本館2F 臨床検査部学生実習室・午前9時
その他注意事項
講義室:大学病院本館2F 臨床検査部学生実習室
実習用白衣:教務課より貸与し、実習終了後すみやかに返却する