英文名 | Diagnostic Radiology(Clinical Clerkship) | |
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科目概要 | 5年[3週]、3群科目、選択、実習 | |
科目責任者 | 学部長(代行) | |
担当者 | 浮洲 龍太郎※ | |
教室 |
浮洲 龍太郎: 臨床医としての経験をもとに、診療現場における画像診断学について実践的な教育を行っている。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◯ | 4. 知的探究と自律的学習: ◯ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: ◯ | 5. チーム医療: ◎ | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: |
画像診断は体外から臓器の形態や機能、全身の様々な疾患を明らかにする。機器、情報技術、薬剤の進歩に支えられて急速な発展の途上にあり、臨床医療における役割を増し続けている。診断や治療効果判定にとどまらず、疾患の予知に基づく予防戦略、詳細な病態解析・治療効果予測による個別化医療の実現へと展開している。画像技術の治療応用であるインターベンショナルラジオロジー(IVR)の適用も広がっている。画像診断もIVR も、体の負担の少ない、患者に優しい技術であり、未来型医療の中核となる。
本科目では、検査の現場に立って各種画像診断検査法の基礎と実際を学び、画像の成り立ちから安全管理までを理解する。画像判定法および主要疾患の画像所見を学び、診療の現場で自ら画像診断を実践する基礎を修得することを目指す。さらに、画像診断の能力、限界を理解し、安全上の問題も踏まえ、総合診断の中で画像診断を適切に位置づけて検査適応を判断できるようにする。また、IVR の実際と意義を理解する。
CT、MRIを中心に、各種画像診断検査の現場において検査方法と安全管理について学ぶ。CT、MRIを中心に、画像診断検査法の原理・方法・問題点を理解し、各種疾患の画像所見を学び、画像判定方法、検査適応の決定法を修得する。
実際の診療で撮影されたCT やMRI の画像について自ら読影報告書を作成した上で指導医の添削を受け、臨床医として画像診断を実践するための修練を行う。多くの画像に自らふれることを通して、画像診断の能力や役割についての理解を深める。血管造影、IVR などの手技についても体験実習を行う。
以下に具体的な実習プログラムを記載する。フィードバックは各実習後に速やかに行う。
・ 画像診断実習:臨床画像を自ら観察した上で小講義を受け、質疑を行う。読影の方法や主要疾患の画像所見、臨床における画像診断の位置づけを学習する。
・ 読影報告書作成実習:自ら臨床症例の画像を読影して報告書を作成する。作成した報告書をもとに指導医の添削および指導を受けて、実践的な読影能力を磨く。
・ 検査室実習:各種画像検査について、検査室で検査の実施方法を学習する。希望者は放射線管理区域に入って見学する。
・ 検査体験実習:MRI や血管造影・IVR を中心に、検査等の実施について体験的な実習を行う。
・ 症例カンファレンス:日々の読影の中の教育的症例、問題症例のカンファレンスに出席する。
・ プレゼンテーション:指定された症例について自らプレゼンテーションする。
・ 教科書学習支援:準備学習教材「画像診断コンパクトナビ」に準拠して単元毎に学習し、小テストで知識・理解を確認する。
主体的な取り組みをもとに指導を行う。
試験は速やかに採点して返却する。
レポートは回収し、記載内容を踏まえた解説を行って返却する。
〈予習〉
以下の講義内容を配布資料・ノートで復習する。これらの資料は随時確認できるよう実習にも持参する。
第3 学年「放射線健康リスク科学」
第4学年「画像・検査診断系(放射線科学)」
以下の本を通読する。
画像診断コンパクトナビ 百島祐貴(医学教育出版社)
関心に応じて、その他の参考書を読む。
〈復習〉
学習ノートを作成し、当日中に再読する。疑問点は速やかに教員に質問すること。
1 日当たりの準備学習時間は予習と復習を合わせて2 時間を目安とする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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参考書 | 画像診断コンパクトナビ | 百島祐貴 | 医学教育出版社 |
参考書 | 医学生・研修医のための 画像診断リファレンス | 山下康行 | 医学書院 |
参考書 | 勘ドコロ シリーズ | メジカルビュー社 | |
参考書 | できる!画像診断入門シリーズ | 羊土社 | |
参考書 | 標準放射線医学 第7 版 | 医学書院 |
⑴ CT、MRI、核医学検査の検査方法・安全管理に関わる留意事項を解説できる。
⑵ 画像解剖を理解し、主要な臓器・構造を画像上で同定できる。
⑶ 代表的な疾患の画像所見を説明できる。
⑷ CT、MRI の基本的な読影・診断を正しい手順で行える。
⑸ CT、MRIの適応と臨床的における役割を解説できる。
⑹ IVR の手技と適応を概説できる。
実習中の質疑および実習態度(40%)、読影報告書(20%)、小テスト(20%)、プレゼンテーション(20%)による。
実習態度は教員およびメディカルスタッフが評価する。
定員
選択実習1 ~ 4 の各期間それぞれ6 名
選択実習5, 6 は受け入れなし
実施場所
北里大学病院
初回集合場所・時間
大学病院本館1F 放射線読影室・9:00
実習における注意事項
実習全般に言えることであるが、本コースでも自ら学ぶ姿勢が決定的に重要である。学ぶ教材となる画像情報は大量に存在し、有効に使えば後々まで役立つ知識、技能を身につけ、画像診断の楽しさを知ることができる。積極的な取り組みを期待したい。