Web Syllabus(講義概要)
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救命救急医学実習(選択実習)(M304-CM15)
英文名Emergency Medicine(Clinical Clerkship)
科目概要6年[3週]、3群科目、選択、実習
科目責任者片岡 祐一
担当者栗原 祐太朗※, 長田 真由子※, 丸木 英雄※
教室

実務経験のある教員

浅利 靖、片岡 祐一ほか:
指導教員は全て大学病院救命救急・災害医療センターでの診療の実務経験があり、心肺蘇生、外傷診療、臓器別診療科の枠に囚われない重症患者の初期診療、ドクターカー出動による現場での診療や、災害時対応、多数傷病者対応、入院後の重症患者の集中治療管理などを日々実践している。実習では、5年時の実習で行った心肺蘇生、外傷診療、集中治療室での重症患者管理のポイントを踏まえた上で、チーム制での診療体制の一員として、各チーム病棟医・指導医の指導の下、外来での初期診療や集中治療管理について、担当医として診療に参加して貰う。3次救急よりも重症度は低いものの、common diseaseを中心とした、多数の患者の診療を行う2 次救急病院の救急外来に、臨床実習として参加して貰う。

卒業・学位授与の方針と当該科目の関連

1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎4. 知的探究と自律的学習: ◯7. 予防医学:
2. コミュニケーション能力: ◎5. チーム医療: ◎8. 地域医療: ◎
3. 医学的知識と技術: ◎6. 医療の質と安全: ◎9. 国際貢献:

授業の目的

 緊急度と重症度を判断し、診断と治療を同時に実施する救命救急医療の実際を学ぶため、診療チームの一員となり、救命医療とチーム医療について理解する。救命救急外来では、外来診療チームのメンバーとして与えられた役割を担当する。救命救急ICU では、初期研修医、病棟医などと行動をともにし、重症患者の呼吸管理、循環管理、体液管理、栄養管理、さらに看護師、薬剤師、栄養士など多職種の専門家とのチーム医療を学び理解する。さらに、3次救急よりも重症度は低いものの、common disease を中心とした多数の患者の診療を行う2次救急病院の外来に、臨床実習として参加して貰う。また、3週間のうちいずれかの日程で救急車同乗実習を行い、プレホスピタルの重要性と現場での安全管理について学び理解する。

教育内容

 救命救急・災害医療センターの診療にチームの一員として参加し、診断、鑑別診断を上級医の指導のもと考え、可能な手技は担当して、役割を持ちながら救急診療に参加する。
 学ぶべき内容を以下に示す。
① 心筋梗塞、脳血管障害、中毒、熱傷、など頻度の多い救急患者の初期診療について学ぶ。
② 外傷患者の診療についてはFASTなどの侵襲の低い実技を体得したうえで、致死的損傷の鑑別診断を習得する。
③ 心肺蘇生法BLSについては教えられるようになる。
④ 重篤患者の呼吸・循環管理・感染・栄養管理などの全身管理、人工呼吸器・持続的腎代替療法(CRRT)・体外循環(ECMO)等、各種蘇生デバイスについて学ぶ。
⑤ 災害や多数傷病者発生時の医療体制について学ぶ。
⑥ 感染管理、清潔不潔の概念、標準予防策について学ぶ。
⑦ 救急医療システム及び救急救命士やメディカルコントロールなどのプレホスピタルについて学ぶ。
⑧ 看護師、薬剤師、栄養士など多職種の専門家とのチーム医療を学ぶ

教育方法

救急医、病棟医、初期研修医などからの屋根瓦方式で指導を行う。なお、当直や交代勤務を体験させ、医師として患者中心の医療を行うことも学んでもらう。さらに、3次救急よりも重症度は低いものの、common diseaseを中心とした、多数の患者の診療を行う2次救急病院の救急外来に、臨床実習として参加してもらう。また、3週間のうち数日間は救急車同乗実習を経験させ、プレホスピタルの重要性と現場での安全管理について学んてもらう。教えることは学習に役立つので、同期間に救急での実習を行う5年次医学生に対して、先輩として指導を行わせる。
 実習全体を通じて、まず自分の考えを述べさせ、実際の診療に参加させ、実際の診療を通じて、最初に述べた見解に対するfeed backを常に行い、この作業を繰り返すことで、臨床医としての成長過程を体験し、知識を経験を通して定着させることを学ばせる。
 なお、症例に応じて、救急外来血管造影室における、重症外傷などに対するIVR、急性心筋梗塞などに対するPCIを見学させる。放射線透視装置を利用した各種手技などの際には、放射線管理区域外(操作室や前室)からの見学実習を行うことがあるが、原則として放射線管理区域内での実習は行わない。

準備学習(予習・復習)

予習:4年次、5年次に学んだ重症外傷の致死的損傷、心肺蘇生法、中毒の初期診療、災害時の医療体制・トリアージ、我が国の救急医療システムについての基礎知識について復習しておく。(1時間程度)
復習:救急外来で診療に携わった頻度の多い救急症例について、教科書を読み、基本的知識を復習する。これにより知識を定着させることができる。また、国家試験の救急医学の過去に出題された問題について救急実習中に目を通す。(30分程度)

到達目標

① 救急診療でのチーム医療の重要性について説明できる。
② 外傷診療での標準的手順を実践できる。
③ 外傷診療でのFASTを実践できる。
④ 心肺蘇生法BLSは指導ができる。
⑤ 心肺蘇生に使用する救急医薬品について説明できる。
⑥ 重症患者の集中治療管理(呼吸・循環管理、感染症、栄養管理など)について説明できる。
⑦ 標準予防策を実践できる。
⑧ メディカルコントロールの意義を説明できる。
⑨ 災害時、および多数傷病者受入れ時のポイントを説明できる。
⑩ チーム医療のポイント・役割・重要性について説明できる。

評価基準

 実習態度(20%)、口頭試問(20%)、各チーム病棟医や教育担当者による評価(40%)、2 次救急病院実習担当者による外部評価(20%)などにより総合的に判断する。

その他注意事項

定員
2人

実施場所
少なくとも1週間は救命救急・災害医療センターの救命救急外来と救命救急ICUで実習する。また、関連医療機関での2 次救急病院におけるER 実習や救急車同乗実習などを行う。

初回集合場所・時間
救命救急・災害医療センター 1階 救命救急センター受付 午前9時30分集合