英文名 | Medical Humanities | |
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科目概要 | 1年通年[31コマ]、2群科目、必修、演習 | |
科目責任者 | 齋藤 有紀子 | |
担当者 | 齋藤 有紀子※, 佐々木 治一郎※, 守屋 利佳※, 秀 拓一郎※, 新井 雄太※, 千葉 宏毅※, 藤木 和子※, 岡野 昇三※, 向井 孝夫※, 柿野 亘※, 小笠原 英毅※, 小野 泰※, 森岡 愛※, 岩武 智彦※, 工藤 翔太郎※, 山田 拓司※, 若林 一美 | |
教室 | IPEホール, M101(新校舎1階大講義室) |
病院での臨床経験を踏まえ、患者の尊厳・医療者の責務・プロフェッショナリズムについて概説・指導する。法律実務の実績を踏まえ、人権保護・医療安全・法令遵守の重要性を概説・指導する。牧場ならびに、農水・環境行政機関での経験を踏まえ、農医連携に根ざした環境・自然保護・食料・動物倫理問題等の概説・指導を行い、医師に必要な広い視野とグローバルな生命感を涵養する。民間シンクタンクにおける生命倫理・医療政策に関する調査・研究経験を踏まえ、高い倫理観と、患者の人権を守る意義を概説・指導する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◎ |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: ◯ | 8. 地域医療: ◎ |
3. 医学的知識と技術: ◯ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: ◯ |
講義
よき医師となるためには、知識・技能の習得にとどまらず、豊かな感性を磨き、生命や尊厳への深い造詣・思惟、病や障害とともに過ごす人々の尊厳・心情に対する理解を育む必要がある。医学は歴史の中でどのような意味を持ち、どのような役割を果たしてきたのか。現代の医学・医療者に期待されているものは何か。医学生が、将来直面するであろう問題群を提示し、さまざまな視点から考察することにより、生命・身体・医学・医療について思考を深め、自らの価値観に気づき、自明と思ってきたことを再考する力を育む。
演習
医学・医療の枠を超えて、生命・健康を支える様々な職種・立場をもち、生活する人々の真摯な姿に触れることで、医学を学ぶことへの意欲を深める。友人との共同生活・協働作業を通して、思いやりや助け合いの心を育むとともに、自分を大切にすることに気づく契機ともする。
医学部の基本理念である「人間性豊かで優れた医師」を目指し、さまざまな知識・経験・立場を有する多様な講師の講義を通して、倫理観の涵養、他者への敬意、人間の尊厳への思惟、プロフェッショナリズム、チームワークなどを育む。地域医療の現実や、医師の使命について考察する機会も提供し、社会貢献への意欲、先人に学ぶことへの関心を惹起する。時事問題を取り上げながら、問題抽出、論理的思考、考える力を身につける。ときのテーマを取り上げることも多いため、内容は適宜、最新のもに入替・変更を行う。北海道八雲牧場実習、熊本県小国町農村体験実習、相模原倫理演習では、全人的な体験学習を通して、講義で得た知見を、さらに実践的・実証的なものにすると同時に、人としての気づき、生命に対する理解と探究心、医科学の役割や可能性を探る機会とする。
【教育方法】
講義、資料読解、映像資料鑑賞、スモールグループディスカッション、調査学習(個人・グループ)、チームによる演習、プレゼンテーションなどを行う。
【フィードバック】
学生の授業後レポートにおけるさまざまな意見について、次回以降の授業で紹介・コメントする。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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第1回 | 4/21(月)④ | ガイダンス 【IPE ホール】 | 医学原論講義と演習の解説 | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第2回 | 5/12(月)④ | 八雲牧場の現代的意義【IPE ホール】 | 人と動物の健康を守る循環型牧場 | 小笠原 英毅 齋藤 有紀子 | 獣医学部 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第3回 | 6/9(月)③④ | 自己決定とからだの自律①【IPE ホール】 | グリーフケア グリーフケア:死別の悲しみとともに 〔特別講義〕 | 齋藤 有紀子 若林 一美 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 立教女学院短期大学元学長・ちいさな風の会代表 |
第4回 | 6/16(月)③④ | 自己決定とからだの自律②【IPE ホール】 | 自己決定が困難な人のからだの自律を考える :テーマ映像鑑賞とディスカッション | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第5回 | 7/17(木)④⑤ | 原論演習ガイダンス(実習別に1 コマ指定)【IPE ホール】 | 夏の実習別ガイダンス | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第6回 | その他 | 医学原論演習 ・3演習から1つを選択して参加 ・すべて10コマ相当 ・詳細は講義内で説明 ・感染状況等で全実習実施できなかった場合は、2025/2/17の週(予備日:発表会含め14コマ)に振替 | ★北海道八雲牧場実習(予定) 1班 8月18日(月)〜8月20日(水)2泊3日 2班 8月20日(水)〜8月22日(金)2泊3日 ★相模原倫理演習 8月25日(月)〜8月27日(水)相模原キャンパス ★熊本県小国町農村体験実習 9月3日(水)〜9月6日(土)3泊4日 日程・内容に変更がある場合は講義内で説明します。 | 齋藤 有紀子 守屋 利佳 新井 雄太 千葉 宏毅 岡野 昇三 向井 孝夫 小笠原 英毅 柿野 亘 小野 泰 森岡 愛 岩武 智彦 工藤 翔太郎 山田 拓司 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 医学教育研究開発センター医学教育研究部門 解剖学(小川単位) 獣医学部 獣医学部(FSC八雲牧場) |
第7回 | 9/16(火)③④ | がん患者・家族への意思決定支援と寄り添い(BCDクラス) 【IPE ホール】(A クラスは早期体験学習Ⅰ) | がん患者さんの意思決定の場面で必要な支援と寄り添い 3限(佐々木)、4限(齋藤) | 佐々木 治一郎 齋藤 有紀子 | 新世紀医療開発センター(横断的医療領域開発部門) 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第8回 | 9/30(火)③④ | きょうだい児・ヤングケアラー(ACD クラス) 【IPE ホール】(B クラスは早期体験学習Ⅰ) | 家族に病気• 障害がある人への配慮 :誰もが平等に大切にされる社会 3限(齋藤)、4限(藤木) | 齋藤 有紀子 藤木 和子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 非常勤教員 |
第9回 | 10/7(火)③④ | 医療と法と倫理(ABDクラス) 【IPE ホール】(C クラスは早期体験学習Ⅰ) | 医療と法と倫理をめぐる社会的課題 :映像鑑賞とディスカッション | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第10回 | 10/14(火)③④ | 脳神経外科の世界(仮)(ABC クラス) 【M101】(D クラスは早期体験学習Ⅰ) | 脳神経外科医の世界からみえること(仮) 3限(齋藤)、4限(秀) | 齋藤 有紀子 秀 拓一郎 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 脳神経外科学 |
第11回 | 10/20(月)③④ | 発表会準備(全員) 【IPE ホール、中講義室ほか】 | 発表会準備・グループワーク 【3 限開始時は全員IPE ホールに集合】 | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第12回 | 10/27(月)③④ | 医療と法と倫理(全員) 【IPE ホール】 | シネマエデュケーション | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第13回 | 11/7(金)③④ 11/10(月)③④ | 原論演習発表会(全員) 【11/7(金)M101】【11/10(月)IPE ホール】 | 原論演習発表会 | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
第14回 | その他 | 医学原論演習の予備日 ・夏の3実習が全て中止になった場合に開講 ・夏の実習欠席者への追実習はありません | 日程:2025年2月17日(火)~ 2月20日(金) 場所:相模原キャンパス 内容:1年間のテーマに関するグループ学習と成果発表 | 齋藤 有紀子 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 |
【講義】
・ 当日のテーマについて予め自分なりの問題意識や質問事項をもつこと。
・ 授業中は積極的質問を心がけること。
・ レポート作成では、思考の過程を丁寧に振り返ること。
【演習】
・ 「全員共通の準備学習」と「演習毎に異なるプログラム」、いずれも積極的に取り組むこと。
・ 土壌に触れる演習に参加する人は、破傷風ワクチンの予防接種など、事前対応を怠らないこと。
・ 必要な事前学習・事前対応を行うこと(行えない場合、演習に参加できないことがある)。
・ 演習により、時期、場所、集合時間、費用、注意事項が異なるので、授業時に配布される資料を熟読すること。
・ 日頃から時間を守り、報告・連絡・相談を密にし、自律すること。
・ 演習を丁寧に記録し、学習の成果を発表すること。
【予習・復習時間の目安(大学設置基準に基づく)】
・ 1コマあたり、予習復習合わせて4時間(グーグルクラスルーム資料・動画による事前学習および、授業後の振り返りレポート執筆で充当)
種別 | 書名 |
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教科書 | 授業時に講師によって適宜紹介 |
参考書 | 授業時に講師によって適宜紹介 |
目標と「主な」関連項目をそれぞれ次の記号で示す。
A「知識・理解」B「思考・判断」C「技能・表現」D「関心・意欲・態度」】
①いのちを慈しみ、誠実で思いやりのある態度で、人に接することができる。 B・D
②他者/ 他職種の価値観を尊重し、その言葉に耳を傾け、積極的に学びとることができる。B・D
③医療/ 医学研究における倫理的/ 法的/ 社会/ 心理的問題の論点を整理し、自らの問題意識を伝えることができる。A・B・C
④コミュニケーションの大切さを理解し、目標達成のために自己の役割を自覚し、助け合って行動することができる。A・B・C・D
⑤患者/ 被験者の人権・尊厳を尊重するための制度や規範、考え方を述べることができる。A
⑥医学生として自律的に振る舞い、知的探究心、継続的学習意欲、社会貢献の重要性を自覚・説明できる。 D
⑦医学・医療の歴史、先人の言葉・経験から、人間社会について学び、社会的課題に気づくことができる。A・B
⑧都市部・農山間部など、さまざまな地域の医療の特性を知り、その意義を説明することができる。A
【評価種別】
・ 毎回講義終了後および実習時の課題レポート(標準800字以上)
・ 上記以外の提出物(実習スケッチブック、実習先への礼状、発表時プレゼン資料など)
・ 前期試験および後期試験(いずれも論述式)
・ 発表会学生相互採点
・ 準備学習、実習授業における態度・身だしなみ(実習時の規定ユニフォーム着用含)
【割合】
・ レポート等提出物 30%
・ 医学原論演習関係 30%
・ 定期試験 30%
・ 態度・身だしなみ等 10%
【評価基準】
・ レポート等については、問題の抽出、論点整理、自身の意見、自身の意見に予想される反対意見、考察などが、論理的に行われていること。
意見の是非で加点減点することはない。
事実関係の誤りは学習不足として減点対象とする。
・ 授業態度については、自律的学習態度、自発性、協力姿勢、身だしなみ(実習時の規定ユニフォーム着用含む)、時間管理等を勘案する。
【課題に対するフィードバックの方法・時期】
・ 授業の前後に、学生レポートや表明された意見を匿名で集約し、コメントを行う。
その他注意事項⑴提出物に関する留意事項
【提出物に関する注意(本項にある“ レポート” の語は、原論における全ての提出物と読替可能とする)】
①医学原論・医学原論演習の提出物(ウエブ上のもの含)は、すべて成績評価に反映されます
②不正・不適切行為が疑われる事例は、科目責任者が面接を行います
③不正・不適切行為が判明した場合、厳正に対処します
④対処の結果、合格点に達しなくなる(科目不合格になる)ことがあります
⑤医学生としての自覚をもち、良識ある行動をしてください
【不正・不適切行為の例(盗用、捏造、改竄含む)】
①他人のレポート(全部・一部)を自分のレポートとして提出する(レポート内容が複数人で同様・酷似のときは全員厳正に対処する)
②他の機会に書いた自分の文章(全部・一部)を医学原論のレポートとして提出する
③インターネット上の他人の文章を引用のルールに則らず自分の文章として提出する
④参考文献・資料の内容を引用のルールに則らず転載する
⑤レポート・発表用資料を著作権・肖像権・商標権・パブリシティ権等に配慮せず作成する
⑥グーグルクラスルーム等の他人のレポートデータに本人の許可無くパスワードを使ってアクセスする
⑦自分の提出用レポートを他人が写すことを許可する(他人の” 参考” に供することは可)
⑧自分の提出用レポートを他人に作成してもらう
⑨他人の提出用レポートを本人に代わって作成する
⑩提出物について、提出していないのに提出を装う行為 (教育目的達成のため実習中預かった携帯電話等の“ 提出を装う・隠し持つ” 行為も含む)
⑪その他、上記に準ずる行為
【次の行為は不正・不適切行為を助長するので行ってはならない】
①ログインパスワードを他人に教える
②ログインパスワードを他人から推測しやすいものとする
その他注意事項⑵夏の医学原論演習に関する詳細情報について
八雲・小国・倫理の実習内容、実習期間、実習費用等の概要・詳細は、授業時の解説・配布資料・グーグルクラスルーム等を通して説明する。