英文名 | Protein Biochemistry | |
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科目概要 | 1年後期[15コマ]、2群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 堺 隆一 | |
担当者 | 堺 隆一※, 板倉 誠※, 河野 俊之※, 清成 信一※, 堤 良平※ | |
教室 | M101(新校舎1階大講義室) |
※企業・研究所での経験を踏まえ、創薬開発におけるタンパク質構造解析の重要性を概説する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: | 4. 知的探究と自律的学習: ◯ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
タンパク質は細胞の構造維持や細胞機能の調節に重要な役割を果たしており、細胞代謝やそれに伴う分子の変化はほとんどみなタンパク質(酵素)の触媒作用による。生命現象におけるタンパク質の多様な役割を学ぶ1年生の「代謝学」、2年生の「医化学・栄養学」に先立って、「タンパク質化学」ではタンパク質の構造と機能の一般原則を理解すると共に、酵素の性質や機能、タンパク質の局在や相互作用について学ぶ。さらにコンピューター演習ではデータベースおよび解析ソフトウェアを利用したタンパク質の立体構造の解析を実体験する。これらのことを通じて、「代謝学」「医化学・栄養学」を学ぶ基礎を作るとともに、臨床医学の現場で遭遇することがらの分子的背景を理解する力を養う。
⑴ 生体分子の種類とその基本構造
⑵ 親水性・疎水性、浸透圧、酸塩基平衡
⑶ 遺伝情報からタンパク質の合成、翻訳後修飾
⑷ タンパク質の構造、安定性
⑸ 酵素の種類と活性制御
⑹ タンパク質の局在と相互作用
⑺ 制御タンパク質の生体機能
⑻ タンパク質の立体構造解析演習
基本的にはプリントを配布し、これに従って講義を進める。クリッカー演習や最終日の演習で習得した知識の確認を行ない、終了後に解答例を配布する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 9/9(火)② | タンパク質化学を学ぶために | 生体とその構成分子 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
2 | 9/16(火)② | 遺伝情報からアミノ酸へ | タンパク質の合成過程とアミノ酸 | 堤 良平 | 生化学(堺単位) |
3 | 9/24(水)② | タンパク質の翻訳後修飾 | 糖などによるタンパク質の翻訳後修飾 | 堤 良平 | 生化学(堺単位) |
4 | 9/24(水)③ | タンパク質の立体構造 | タンパク質の三次構造と折り畳み | 河野 俊之 | 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 |
5 | 9/30(火)② | タンパク質の安定性 | タンパク質の変性と分解 | 河野 俊之 | 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 |
6 | 10/1(水)② | タンパク質の構造から機能へ | タンパク質のモチーフとドメイン | 河野 俊之 | 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 |
7 | 10/1(水)③ | 酵素の構造 | 酵素の構造と種類 | 板倉 誠 | 生化学(堺単位) |
8 | 10/7(火)② | 酵素の調節 | 酵素の活性部位と調節因子 | 板倉 誠 | 生化学(堺単位) |
9 | 10/8(水)② | 酵素と疾患 | 酵素の異常、逸脱酵素 | 板倉 誠 | 生化学(堺単位) |
10 | 10/15(水)② | タンパク質の局在と輸送 | 構造タンパク質、輸送タンパク質 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
11 | 10/22(水)② | タンパク質の相互作用 | タンパク質複合体とシグナル伝達 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
12 | 10/29(水)② | さまざまな制御タンパク質 | 生体機能の調節に関わるタンパク質 | 堺 隆一 | 生化学(堺単位) |
13 | 11/12(水)② | コンピューター演習 (AB クラス) クリッカーを用いたタンパク質演習 (CD クラス) | <コンピューター演習> RasMolプログラムを用いたタンパク質の立体構造解析実習【新棟コンピューター室】 <クリッカーを用いたタンパク質演習> タンパク質の機能と、その疾患との関りを題材にした実践演習 | 河野 俊之 清成 信一 堤 良平 堺 隆一 板倉 誠 | 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 生化学(堺単位) |
14 | 11/12(水)③ | コンピューター演習 (CD クラス) クリッカーを用いたタンパク質演習 (AB クラス) | <コンピューター演習> RasMolプログラムを用いたタンパク質の立体構造解析実習【新棟コンピューター室】 <クリッカーを用いたタンパク質演習> タンパク質の機能と、その疾患との関りを題材にした実践演習 | 河野 俊之 清成 信一 堤 良平 堺 隆一 板倉 誠 | 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 生化学(堺単位) |
15 | 11/19(水)③ | タンパク質化学演習 | タンパク質化学の演習問題と解説 | 堺 隆一 板倉 誠 河野 俊之 堤 良平 | 生化学(堺単位) 医学教育研究開発センター医療情報教育研究部門 |
予習:それまでの講義で配布されたプリントを、あらかじめ読んでおくこと。
復習:プリントを見直し、分からない点を明らかにし質問する。理解が不十分な点は参考図書に挙げるテキストを使って理解を深める。
予習・復習あわせて1コマ当たり2時間の準備学習を要する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | エッセンシャル生化学 (重要参考図書) | Pratt, Cornely 著 須藤、山本、堅田、渡辺訳 | 東京化学同人 |
参考書 | イラストレイテッドハーパー・生化学(原著30版) | Murray, Granner, Rodwell 著 上代 監訳 | 丸善 |
参考書 | マッキー生化学第6版 | McKee, J. R. McKee 著 市川監修、福岡 監訳 | 化学同人 |
参考書 | イラストレイテッド生化学(原著8版) | Champe, Harvey, Ferrier 著 石崎、丸山 監訳 | 丸善 |
タンパク質の構造と機能の基本原則が説明できる。
タンパク質の多彩な生理的役割のもととなる分子構造が説明できる。
酵素反応の仕組みと解析法を説明することができる。
生命現象における酵素反応の重要性を説明することができる。
タンパク質の局在や相互作用について説明できる。
制御タンパク質の生体機能について説明できる。
プログラムとデータベースを用いたタンパク質の構造解析法の基本を習得し、自ら問題解決に応用できる。
講義や演習への取り組み方(20%)と試験(80%)の総合評価とする。
本科目は講義と演習による15コマが系統的に配置されており、欠席すると以後の講義の理解が困難となる。全時間出席することが必須であるが、もしもやむを得ない事情で欠席する場合には、配布されたプリントなどを見て良く自習しておくこと。
毎時間配布する「プリント」には「確認問題」などの要点のまとめが含まれ、試験に向けて習得すべきポイントでもあるので、きちんと綴じて保存することを奨める。解答は特に配布しないが、講義ノートや配布されたプリントを見れば答えられるような問題であるので、復習の際に活用してほしい。
講義内容を理解する上で、実際に自分自身で問題を解いてみることは非常に有益である。最終日のタンパク質化学演習はこの様な考えに基づいて設けられたもので試験ではない。演習問題を解くにあたっては、教科書、参考書、プリントなどを持参し、それらを参考にして必ず自分自身の力で解答すること。
「確認問題」や「演習問題」は必ずしもそのままの形で定期試験に出題されるわけではない。分からない場合には、生化学の教員(新M号館5階)に質問し疑問点を残さないようにすること。
「コンピューター演習」では各自がデータベースを利用したタンパク質の構造解析法を学ぶ。欠席すると追実習はできないので注意すること。「クリッカーを用いたタンパク質演習」は、多肢選択問題に馴染むことと講義内容の復習とを兼ねた演習である。