英文名 | Interprofessional Health Care | |
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科目概要 | 1年後期[15コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 市川 尊文 | |
担当者 | 市川 尊文, 松永 篤彦※, 別府 千恵※, 田ヶ谷 浩邦※, 五味 勉※, 金子 博徳※, 阿古 潤哉※, 山岡 邦宏※, 内山 勝文※, 齋藤 有紀子※, 渡邉 達也※, 左右田 哲※, 尾鳥 勝也※, 有田 悦子※, 守屋 達美※ | |
教室 |
【松永 篤彦】病院での経験を踏まえ、リハビリテーションを展開する際のチーム医療について説明する。
【別府 千恵】病院での臨床経験を踏まえ、病院施設での看護職と他職種のチームによる医療の質・安全の保証について説明する。
【田ヶ谷浩邦】病院での臨床経験を踏まえ、我が国の保健・医療・福祉システムにおける成員の連携・外国との比較等について説明する。
【五味 勉】病院での臨床経験を踏まえ、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の医療チーム内での位置付け等を説明する。
【金子 博徳】病院での臨床経験を踏まえ、北里研究所病院の特徴と、チーム医療病院実習について説明する。
【阿古 潤哉】病院での臨床経験を踏まえ、地域医療支援病院である北里大学メディカルセンタ―の特徴とチーム医療について説明する。
【山岡 邦宏】病院での臨床経験を踏まえ、北里大学病院の特徴と、大学病院の特性から見たチーム医療について説明する。
【内山 勝文(第9回)】病院での臨床経験を踏まえ、移植医療におけるチーム医療の大切さを説明する。
【齋藤 有紀子】病院・研究機関での倫理審査の経験を踏まえ、臨床・研究におけるICの意義と重要性について説明する。
【渡邉 達也】病院での実務経験を踏まえ、治験におけるチーム医療の実際とCRCの役割について説明する。
【左右田 哲】病院での臨床経験を踏まえ、MSWの役割、機能、病院内医療チーム及び地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際を説明する。
【尾鳥 勝也】病院での臨床経験を踏まえ、チーム医療における薬剤師の役割と業務の実状を説明する。
【内山 勝文(第13回)】病院の医療安全推進室長としての実務経験から、医療におけるリスクマネジメントを説明する。
【有田 悦子】病院での臨床教育経験を踏まえ、チーム医療におけるコミュニケーションの意義と重要性について説明する。
【守屋 達美】病院における糖尿病性腎症診療の経験を踏まえ、チーム医療の科学的・客観的検証の必要性を解説する。
1. プロフェッショナリズムと倫理: ◎ | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: ◯ |
2. コミュニケーション能力: ◎ | 5. チーム医療: ◎ | 8. 地域医療: ◯ |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: ◎ | 9. 国際貢献: ◯ |
近年の生命科学、医学の進展に伴って医療は急速に高度化・細分化している。また、疾病構造や人口構造も大きく変ってきており、医療は複数の医療専門職の知を結集して行わなければその実施は困難である。さらに、医療に対する社会のニーズも大きく変化してきており、単に病気を治すばかりでなく、どのように診断・治療が行われるかというプロセス、倫理的、心理的、社会的な側面も含めた対応が必要になる等、医療の質が大きく問われている。このように、患者を中心にした最適な医療を実践するためには、多種類の医療専門職の協働(チーム医療)が不可欠であり、そのための優れた人材の育成が急務である。
北里大学では、医療系学部と専門学校を擁し、15に及ぶ医療専門職を育成する教育を展開している。また、大学附属の3つの病院と連携した臨床教育も大きな特徴となっている。このような環境のもとに、本講義では、チーム医療の構成員として自身の専門性を活かし積極的に医療に参画し、より安全で質の高い医療を実践できるように、医療の流れ、医療チーム構成員とその職能・役割、医療倫理をはじめとしてチーム医療に関する基本的知識を修得する。
日本の医療システム概要(保健福祉システムとの関連)、専門職種の理解(医療関連職種の職能、役割等)、疾患と医療チーム(医療現場で形成される医療チームとその構成員の連係プレーの具体例)、クリティカルパス、医療倫理、コミュニケーション論、先進医療におけるチーム医療の例等、チーム医療に関する共通認識を深めるための内容を講義する。
各学部および医療現場からの教員による主にパワーポイント、プリント等を用いた講義(オムニバス方式、一部演習も含む)映像をオンデマンド形式で配信する。前回の講義内容の復習、とくにキーワードについて整理しておくこと。
教育効果を高めるため、各講師より講義課題が提示され、レポート提出を課す。
【フィードバックの方法】科目責任者より、総評がGoogleClassroomなどにより、フィードバックされる。
授業外学習:15時間
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 9/8(月)⑤ | イントロダクション 【オンライン】 | 科目概要の説明、チーム医療の必要性とその意義、北里大学の医療系学部・専門学校とチーム医療教育を紹介する。 | 市川 尊文 | 医療衛生学部 |
2 | 9/22(月)⑤ | 専門職種の理解-1 【オンライン】 | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内位置付けを説明する。 | 松永 篤彦 | 医療衛生学部 |
3 | 9/29(月)⑤ | 専門職種の理解-2 【オンライン】 | 病院施設における看護職の役割および他職種がどのようなチームを構成し、医療の質や安全を保証しているかを解説する。 | 別府 千恵 | 大学病院看護部 |
4 | 10/6(月)⑤ | 保健・医療・福祉システム概要 【オンライン】 | 我が国の保健・医療・福祉システムについて、システム・成員の連携、外国との比較等を説明する。 | 田ヶ谷 浩邦 | 医療衛生学部 |
5 | 10/13(月)⑤ | 専門職種の理解-3 【オンライン】 | 保健衛生学科の概要と教育内容、取得可能資格、医療チーム内での位置付けおよび臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付けを説明する。 | 五味 勉 | 医療衛生学部 |
6 | 10/20(月)⑤ | 疾患と医療チーム-1 【オンライン】 | 北里研究所病院の特徴と、特にチーム医療病院実習を説明する。 | 金子 博徳 | 北里研究所病院 |
7 | 10/27(月)⑤ | 疾患と医療チーム-2 【オンライン】 | 北里大学メディカルセンター(KMC)の特徴と、地域医療支援病院におけるチーム医療を説明する。(大学病院との相違等) | 阿古 潤哉 | 循環器内科学 |
8 | 11/10(月)⑤ | 疾患と医療チーム-3 【オンライン】 | 北里大学病院の特徴と、大学病院の特性から見たチーム医療を説明する。 | 山岡 邦宏 | リウマチ・膠原病内科学 |
9 | 11/17(月)⑤ | 組織移植医療におけるチーム医療 【オンライン】 | 臓器移植、骨移植におけるチーム医療の大切さとその構成職種を解説する。 | 内山 勝文 | 医学教育研究開発センター医療安全・管理学研究部門 |
10 | 11/24(月)⑤ | 医療倫理 【オンライン】 | 治験におけるチーム医療の特徴について解説し、患者の人権を尊重する説明文書のあり方と、患者のインフォームドコンセントの大切さを説明する。 | 齋藤 有紀子 渡邉 達也 | 医学教育研究開発センター医学原論研究部門 臨床研究センター企画開発部門 |
11 | 12/1(月)⑤ | 専門職種の理解-4 【オンライン】 | 医療ソーシャルワーカーの役割、機能および病院内医療チームおよび地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際を説明する。 | 左右田 哲 | 北里大学病院トータルサポートセンター |
12 | 12/8(月)⑤ | 専門職種の理解-5 【オンライン】 | 薬剤師と法、6 年制薬学教育の概要、医療環境の変化と薬剤師、チーム医療における薬剤師の仕事、薬剤師としての医療への貢献等を説明する。 | 尾鳥 勝也 | 大学病院薬剤部 |
13 | 12/15(月)⑤ | 医療安全 【オンライン】 | 医療におけるリスクマネジメントを説明する。 | 内山 勝文 | 医学教育研究開発センター医療安全・管理学研究部門 |
14 | 12/22(月)⑤ | チーム医療における コミュニケーション 【オンライン】 | 専門職間のコミュニケーション、患者とのコミュニケーション、患者の心理、言語・非言語コミュニケーション等を説明する。 | 有田 悦子 | 薬学部 |
15 | 1/5(月)⑤ | チーム医療の科学的・客観的検証 【オンライン】 | 糖尿病性腎症におけるチーム医療を例に挙げて、チーム医療の科学的・客観的検証の必要性を解説する。 | 守屋 達美 | 非常勤教員 |
1. 予習(30分程度)
自分の職種の医療現場における役割、専門性を調べて臨む。
他の医療保健福祉専門職の役割、専門性を調べて臨む。
2. 復習(30分程度)
講義内容・配布資料をもとに、講義終了後、講義で学んだこと、議論したことを見直し、自分の考えを整理し、理解を深める。
また、ニュース、新聞等から現在の医療現場におけるチーム医療の課題について考え、望ましい将来のチーム医療について考察し、
次の講義に臨む。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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参考書 | 『実践 チーム医療論』 インタープロフェッショナル・ヘルスケア― 実際と教育プログラム | 水本清久、他 編著 | 医歯薬出版 |
参考書 | IPWを学ぶ | 埼玉県立大学 編 | 中央法規 |
患者を指向した質の高い医療の提供を目標に、チーム医療の構成員として自身の専門性を活かし積極的に医療に参画する事ができるようになるために、医療の流れ、各医療職の職能、医療倫理、コミュニケーションなどのチーム医療に関する基礎知識を習得する。
・学生がチーム医療の構成員として自身の専門職の専門性を説明することができる。
・学生がチーム医療の構成員として自身の専門職の専門性を意識した論点を述べることができる。
・学生がチーム医療の構成員としてリーダーシップ、メンバーシップを意識してディスカッションに参画することができる。
・学生が他の学生の意見を真摯に聞くことができる。
・学生が自身の意見と異なる意見を尊重した態度で聞くことができる。
薬学部・医療衛生学部・看護学部・健康科学部:毎回の講義レポートを総合的に評価する(100%)。なお、欠席は減点をする。
医学部:レポート提出状況(30%)、レポート内容点(20%)、総合テスト(50%)を評価の配分とする。
・レポート内容点は講義の9回目と10回目を指す。
・総合テストは全講義終了後実施し、再試験は実施しない。
・全講義のレポート提出を必須とするが、諸事情により欠席した場合、全講義で11回以上のレポート提出、且つ医学部教員講義(第6~10回講義及び第13回講義)で4回以上のレポート提出に満たない場合は総合テストの受験資格を喪失し、不合格とする。
学生へのメッセージ
チーム医療の必要性や意義を理解し、医療の場におけるチームワークが医療の質と安全性の向上、患者のQOLの向上に大きく貢献することを認識してほしい。本学のチーム医療教育プログラムは、15にも及ぶ医療専門職の教育を行っている大学ならではの特色ある教育プログラムであり、本講義で学んだ基礎知識とチーム医療に関する認識を、高学年で行う「オール北里チーム医療演習」、「チーム医療病院実習」「国際チーム医療演習」等で存分に発揮して、社会に出てからの糧としていただきたい。