英文名 | Physiology I | |
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科目概要 | 1年後期[16コマ]、3群科目、必修、講義 | |
科目責任者 | 高橋 倫子, 山田 玲 | |
担当者 | 高橋 倫子※, 山田 玲※, 畠山 裕康※, 入江 智彦※, 安岡 有紀子, 福田 英一 | |
教室 | M101(新校舎1階大講義室) |
診療経験や基礎医学研究歴を活かし、臨床医学と基礎医学の連関を考え、生理学講義で扱う項目の選択や強調に反映させる。
1. プロフェッショナリズムと倫理: | 4. 知的探究と自律的学習: ◎ | 7. 予防医学: |
2. コミュニケーション能力: | 5. チーム医療: | 8. 地域医療: |
3. 医学的知識と技術: ◎ | 6. 医療の質と安全: | 9. 国際貢献: |
生理学は人体のはたらきとそのしくみを探求する学問である。第1学年後期から第2学年前期にかけて行う講義を通じて、生体が外界から刺激を受け取り、恒常性を保ちながら活動するメカニズムについて、分子・細胞のミクロなレベルから、その集合体である組織・臓器、さらには臓器間連関の保たれた個体レベルで、多層的に理解することを目指す。並行して生理機能の破綻として生じる病態について紹介することで、論理的思考をもとに予防や治療に向けた道筋を立て、臨床医学に活用する能力の育成を目指す。
人体を構成する種々の細胞に共通する機能について学ぶ。続いて生体にとっての「内部環境」とそのパラメターを知り、それらが恒常的に維持される概念を理解する。多様な細胞機能から成り立つ器官系(感覚器、運動器、呼吸器、循環器、消化器、腎臓、血液など)が果たす役割と、その作動原理の理解をはかる。さらにそれらを統合し、ヒト個体としての活動や、生命と種の恒常性維持に関わる系(神経系、内分泌系など)について学ぶ。第1学年においては、特に神経や筋肉において重要な機能を果たす興奮性細胞について詳細に解説するとともに、器官系としては消化器や血液についての講義を行う。
講義形式。プロジェクターや板書を活用し「人体の生理現象と機能」という動的な概念を説明する。一方的に情報を伝えるのみならず、質疑応答と対話を通して理解を促すとともにありがちな誤解を明らかにし、正確な知識の伝達に努める。
演習や小テストを適宜行い、重要事項の把握と理解の定着を図る。講義中に答案を回収し、授業の中で解説する。
レポート課題については講義の時間などを利用して学年全体に対して講評と解説を行う。
講義中あるいは終了後の積極的な質問を歓迎する。
回 | 日時 | 講義テーマ | 講義内容 | 担当者 | 所属 |
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1 | 9/10(水)① | 生理学総論 | 人体のはたらき、内部環境、恒常性維持 | 高橋 倫子 | 生理学(高橋単位) |
2 | 9/17(水)① | 神経生理学総論 | 神経系および神経細胞の一般的性質 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
3 | 9/24(水)① | 膜輸送 | 細胞の物質輸送、輸送体タンパク | 安岡 有紀子 | 生理学(高橋単位) |
4 | 9/26(金)③ | 興奮性細胞⑴ | 膜電位 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
5 | 9/26(金)④ | 興奮性細胞⑵ | 活動電位 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
6 | 10/1(水)① | 興奮性細胞⑶ | 興奮伝導 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
7 | 10/8(水)① | 興奮性細胞⑷ | イオンチャネル | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
8 | 10/10(金)③ | シナプス⑴ | シナプスの種類、伝達物質と受容体 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
9 | 10/10(金)④ | シナプス⑵ | シナプス伝達の調節 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
10 | 10/15(水)① | 運動器⑴ | 骨格筋の構造と興奮収縮連関 | 入江 智彦 | 生理学(山田単位) |
11 | 10/22(水)① | 運動器⑵ | 骨格筋の様々な特性 | 入江 智彦 | 生理学(山田単位) |
12 | 10/24(金)③ | 消化・吸収⑴ | 消化管の機能的構造、運動と神経性調節 | 福田 英一 | 生理学(高橋単位) |
13 | 10/24(金)④ | 消化・吸収⑵ | 胃ならびに肝胆膵の消化機能 | 福田 英一 | 生理学(高橋単位) |
14 | 10/29(水)① | 消化・吸収⑶ | 小腸・大腸における消化・吸収と排泄 | 福田 英一 | 生理学(高橋単位) |
15 | 11/12(水)① | 血液 | 造血、赤血球、貧血、血液型、止血機構 | 畠山 裕康 | 生理学(高橋単位) |
16 | 11/19(水)① | まとめ | 講義全体のまとめとレポート解説 | 山田 玲 | 生理学(山田単位) |
予習:参考図書等で講義範囲を読み、不明な部分は積極的に質問すること。所要30 分間。
復習:配布資料を読み直し、不明な点は参考図書で理解を深める。所要30 分間~ 1 時間。
小テストや演習で正解できなかった点は放置せず、わかるようになるまで教員に質問すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 大半の講義において資料を毎回配布する。 | ||
参考書 | 下記から1冊を用意すること。特徴について初回講義で説明する。 | ||
参考書 | 標準生理学(第9版) | 本間研一(監修) | 医学書院 |
参考書 | 人体の正常構造と機能 全10 巻縮刷版)(改訂第4版) | 坂井建雄・河原克雅(編) | 日本医事新報社 |
参考書 | 生理学テキスト(第9版) | 大地陸男(著) | 文光堂 |
参考書 | コスタンゾ明解生理学(第7版)(訳本) | 林俊宏・高橋倫子(監訳) | エルゼビア・ジャパン |
参考書 | シンプル生理学(改訂第8版) | 貴邑冨久子・根来英雄(著) | 南江堂 |
参考書 | ガイトン生理学(第13版)(訳本) | John E. Hall(著)、石川義弘・岡村康司・尾仲達史・河野憲二(監訳) | エルゼビア・ジャパン |
参考書 | ギャノング生理学(第26版)(訳本) | 岡田泰伸(監修)、佐久間康夫・岡村康司(監訳) | 丸善 |
参考書 | カンデル神経科学(第2版)(訳本) | 宮下保司(監修) | メディカル・サイエンス・インターナショナル |
参考書 | 生理学用語ハンドブック | 日本生理学会 | 丸善 |
*細胞の構造と細胞内小器官・生体膜の機能を説明できる。
*細胞内外のイオン組成の違いとその成り立ちを理解し、興奮性細胞において活動電位が発生するしくみを説明できる。
*軸索やシナプスを介して神経情報が伝達されるしくみを説明できる。
*骨格筋の収縮メカニズムと、運動単位としての制御様式の概要を説明できる。
*個体の恒常性を保つしくみのうち、消化器系と血液系について説明できる。
定期試験90%、小テスト、レポートおよび受講態度で10%。